空の楽しさのひとつは雲にある。空の表情を作るのが雲。高い雲と低い雲が入り交じり、複雑な模様を紡ぎ出す空もまたよい。
この写真は中禅寺湖の湖畔で撮影した西の空。左下あたりに太陽が隠れており、太陽の光、雨を降らせる低層の黒い雲、上空に見える高い白い雲などが重なり合って顔を出した瞬間だ。普通に撮るとどうしても雲の明るいところが白飛びしがちなので、−1の露出補正をかけて撮っている。
空を撮るときはやはり、露出補正がポイント。
秋はぐっと日が短くなる季節。一番短いのは冬至で、例年12月22日ごろ(今年は12月21日)なので、11月あたりは気候の割に日没が早く感じる季節。ちょっとのんびりしてるとすぐ日が傾き、西の空の色温度が下がっていく。思わぬ夕焼けに出会う季節である。
夕焼けの面白さは雲。実は先日、夕空にねぐらへ帰る鳳凰(あるいは火の鳥)を見た。
思わず望遠レンズを付けた一眼レフを持ち、望遠で撮影。
日没前の空は、雲は赤く染まっているけれども、その向こうの空は青かったりする。赤いのは夕日を浴びた雲であって、空ではないのである。よって上の写真はホワイトバランスを「曇天」にして実際より赤みを強くして撮ってある。
太陽光で撮るとこんな感じ。
地平線近くは真っ赤だが、上空は青い。そのグラデーションが夕焼けの面白さだ。
さらに広角で撮ってみた。
夕暮れなので高い空は青がぐっと深くなって夜の訪れを告げており、地平線近くでは日没後の太陽に照らされた赤い雲がたなびいている。ホワイトバランスは太陽光で露出補正は−1。それでぐっと色が深くなるのである。
最後に中禅寺湖の上にかかっていた低くて厚い雲たちはどうなったか。
こうなった。幾層もの雲が重なって不気味である。
こんな不気味さを表すには、さらにマイナスの補正。ホワイトバランスを曇天にし、露出補正は−1.7である。そうすると影が黒く締まり、色がより濃く出てくれる。
いつも何気なく見上げる空も、こうなってくるとがぜん面白い。空の表情は毎日変わるので、秋はぜひ空を見上げて歩くべし。
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