2年目を迎えた2009年。さらなる認知度の向上を狙い、考え出したのは「貯金箱の日 川柳大賞」だ。広く一般から貯金や貯金箱にまつわる川柳を募り、大々的に発表するという企画である。
賞品はふんぱつした。
貯金箱の日にちなみ、総額1010万円!……を貯められるだけの貯金箱。
もちろん貯めるのは受賞者自身だ。
賞品になる貯金箱は、各社がそれぞれの商品を持ち寄る。周知活動には各社のメールマガジンなどを活用し、7月の東京おもちゃショー会場でも各社がアピールする計画。公式ページには民間の貯金箱博物館に協力してもらい、個人情報管理といった部分だけタカラトミーのシステムを使用する。細かい計算はともかく、運営委員会にかかる表だった費用は「賞品輸送費の1万円くらい」という、極めて せこい 低コストの企画に仕上げた。
「節約戦士 おサイフセイバーのときにマーケティング面で協力していただいた森永卓郎さんの言葉ですが、今は“エコ”で“せこ”な時代であると。節約してお金を貯める貯金箱ですから、ここは時代に合わせて安くいきます」(高橋氏)。もちろん、運営委員会自体が寄り合い所帯で、自由になるお金が少ないという真の事情もある。
ただし、賞品は持ち寄るといっても、やはり1010万円ぶんとなると、かなりの数の貯金箱が必要だ。やのまんの「福沢諭吉さんがもっと喜ぶ貯金箱」のように“札限定”貯金箱も用意できるが、それでも金額的には足りない。何度か行われた会合では、「この貯金箱は一応3万円くらい入るが、それはお金を詰め込んだ場合であって、あまり現実的ではない」「では、2万5000円くらい?」といった熱い議論が繰り返された。
ここで救世主が“復活”する。
憶えている人も多いだろう。10年ほど前、大きなペール缶に「500万円貯・ま・るBANK」と書かれた、インパクトの大きな貯金箱があったことを。
これが1つあれば、1010万円ぶんの半分近くをまかなえる。販売していたのはトイボックスだが、とにかく古い商品のため、なかなか見つからなかったという。「社内をさがしても賞品にできるようなモノがなくて、(取引先など)あちこちに声をかけ、ようやく1つだけ新品を見つけました」(トイボックス営業企画部の大和田勝部長)。
貴重な商品が景品に加わり、企画は動き出す。そのほかの景品候補もそろい、6月末には「貯金箱の日 川柳大賞」(賞品候補は下表参照)の告知も行われた。
テーマは「貯金箱と生活、貯金箱と人生」。応募は、「にしざわ貯金箱かん」サイトにある専用ページで受け付けているため、川柳の腕前に自信のある人、エコはともかく“せこ”に自信がある人は挑戦してみてはいかがだろうか。なお、選考では優秀作品を10点選出する予定で、副賞の貯金箱は山分け。貴重な「500万円貯・ま・るBANK」は、筆頭となった作品に与えられる予定だ。
ちなみに「貯金箱の日 川柳大賞」運営委員会では、川柳大賞に興味を持ち、タダで告知してくれるテレビや雑誌の関係者も募集しているらしい。
メーカー | 商品候補(6月末時点で検討中のもの) |
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エポック社 | テツオトバンククロック |
タカラトミー | 人生銀行、貯金伝説バンククエスト、パンダバンク、スペースインベーダー ゲーム筐体型バンク |
テンヨー | 10万円貯まる本「世界一周版」、10万円貯まる本「日本一周版」、お金が消える貯金箱 |
バンプレスト | フェイスバンク、フェイスバンク ドデカ、フェイスバンク2、コインペンギン |
メガハウス | 駅ホーム自動放送再生貯金箱 山手線貯金箱 |
タルガ | 電車銀行 山手線、電車銀行 中央線、電車銀行 新幹線、電話銀行 |
やのまん | パズルDE貯金箱・百万円、パズルDE貯金箱・五十万円、パズルDE貯金箱・十万円、福沢諭吉さんがもっと喜ぶ貯金箱、樋口一葉さんんがもっと喜ぶ貯金箱、野口英世さんがもっとよろこぶ貯金箱 |
トイボックス | 戦国武将兜BANK、Voice Memory BANK、iQ BANK、Digital Coin Pit、Voice Count Bankなど |
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