――50ミリのユニットを試用した際、マクロ域でのAFスピードが遅く感じました。今後のファームアップ等で改善する可能性はありますか?
福井氏: 50ミリレンズは、光学性能にこだわったGRブランドのマクロレンズです。マクロ域でも周辺部までがゆがまず、きっちりとした解像を実現するためにフローティング構造を採用しています。そのため、従来比で4倍程度のフォーカスポイントがあり、コントラストAFによるスキャンの際にいったんフォーカスポイントを見失うと、合焦に時間がかかる場合があります。このあたりの、マクロ域のAFに関しては技術課題があるかもしれません。
その一部については、今後のファームアップで修正できる可能性はあります。また、たとえばフォーカス制限などの機能を盛り込むことで、フラストレーションを感じさせないように改善する方法も検討していきたいです。
――発表会ではプリンタやプロジェクター、ストレージ、GPS、ワイヤレスなど、将来考えられるユニットのコンセプトモデルが展示されました。今後のユニットの予定は?
福井氏: 展示したコンセプトモデルの具体的な製品化は未定ですが、ユーザーの意見を聞きつつ、要望の高いユニットの中から、世界感が広がっていくものを順次作っていきたいと思います。撮る楽しみに加えて、見る楽しみも提案していきたいですね。ただ、まずはカメラとしてのラインアップを充実させる方向ではあります。
――他の交換レンズ用のマウントアダプタのユニットは考えられますか?
福井氏: マウントアダプタの場合、レンズと撮像素子を一体化するという、そもそものGXRのコンセプトに矛盾するものになってしまいます。しかし、もしも多くのユーザーが望むなら、かたくなにNOというつもりはなく、検討の可能性はあります。当社にはさまざまなプランがありますが、実際にはユーザー自身が新しい使い方を考案し、われわれが想像もできなかったような展開になることが、システムがうまくいったことだと思います。
――他社がユニットを発売する可能性は?
福井氏: このシステムは、もともと規格化を前提としたものではないので、技術的な困難はありますが、一緒にやりたいという声があれば歓迎します。実は開発の初期段階では、規格化やオープン化の案もありました。しかし、規格化することに時間がかかりすぎるため、まずは早く市場に出すことを優先しました。
――どんな人に使って欲しいですか?
福井氏: ふつうに撮るだけなら、これまでのコンパクトデジカメで過不足はないでしょう。ただ、写真を撮る面白さに目覚め、もっと自分の思いや創意工夫を込めて撮りたいと望む人もいます。その際、一眼レフ機という選択もありますが、誰もが大きくて重い一眼レフ機を使いこなせるでしょうか。GXRなら、コンパクトさを生かして気軽なスナップやキャンディッドフォトを楽しめる一方で、一眼レフのような背景のぼけた写真も撮れます。従来のコンパクトデジカメにはなかった世界観を味わえるカメラです。ぜひ、いろんな場面で使ってもらいたいと思います。
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