ソニーは9月7日、3D対応の家庭用フロントプロジェクター「VPL-VW90ES」を発表した。同社初の3D対応機であるとともに、同社の高級オーディオと同じ“ES”型番が与えられた初のプロジェクターとなる。価格は72万4500円で、11月20日に発売する予定だ。専用3Dメガネ「TDG-BR100」が2個付属する。
1系統の光学エンジンによるフルハイビジョン3D投影を可能にした初のフロントプロジェクター。240Hz駆動に対応した新開発の0.61型SXRD(Silicon X-tal Reflective Display)を搭載し、3Dテレビと同じフレームシーケンシャル表示方式で立体視を可能にする。つまり、左右の目に入る映像を1つのレンズで交互に投写し、液晶アクティブシャッター付きのメガネを同期させる仕組みだ。
3Dメガネを同期させるトランスミッターはプロジェクター本体のレンズ周辺部に内蔵。スクリーンから5メートル以内であれば、スクリーンに反射させたシンクロ信号で同期させることができる。視聴距離が5メートル以上になる場合は、別売の3Dシンクロトランスミッター「TMR-BR100」を市販のLANケーブルで本体に接続すれば、3Dメガネに向けて直接シンクロ信号を送ることができる。LANケーブル(カテゴリー7)は15メートルまで使用できるという。
「2D→3D変換機能」も搭載。2D映像視聴時に、メニュー画面から設定すると、独自技術で映像のフォーカスがある個所を検出し、擬似的な3D映像を表示する。2D→3D変換の効果は3段階で調節できる。
新開発のSXRDは、2マイクロメートル以下の液晶セル厚、および垂直配向技術による2ミリ秒以下の高速応答性能を生かし、240Hzのフレームレートで液晶パネルを高速駆動する(2D表示時は120Hz駆動のモーションフローとなる)。また画素間スペースを狭めることでコントラスト性能を向上。光の量を自動制御する「アドバンストアイリス3」技術との組み合わせにより、15万:1のダイナミックコントラスト比を実現している。「3D映像はもとより2D映像においても、より深い黒と自然で豊かな色表現を両立した」(同社)。
光源には200ワットの高圧水銀ランプを使用。光学エンジンの効率化を進め、輝度を1000ルーメンに引き上げるとともに、上位機種「VPL-VW200」に搭載しているキセノンランプの色再現性にさらに近づけたという。またファンノイズを約20dBにまで低減した静音設計も特長だ。
投射レンズにはフルハイビジョン(1920×1080ピクセル)映像の高い解像度を再現できる1.6倍電動ズーム搭載の大口径レンズ「ARC-F(オールレンジクリスプフォーカス)レンズ」を搭載。アルミの鏡筒にガラスレンズを収納し、全レンズに前面マルチ反射防止処理コーティングを施した。電動レンズシフト機能(上下65%、左右25%)も備え、幅広い設置環境に合わせた投射が可能になった。
入力端子は、DeepColor、x.v.Colorに対応したHDMI入力を2系統搭載。このほか、コンポーネント、コンポジット、アナログRGB、D-sub 15ピンを各1系統ずつ装備している。
外形寸法は、470(幅)×179.2(高さ)×484.9(奥行き)ミリ。重量は約12キログラム。上記のように専用3Dメガネ「TDG-BR100」2個にくわえ、3Dメガネ用偏光フィルター(レギュラーサイズ2組、スモールサイズ2組)、別売トランスミッター接続用の変換ケーブルなどが付属する。
なお、VPL-VW90ESは、東京・銀座の「ソニーショールーム」、および大阪の「ソニーストア大阪」で11月上旬から先行展示される予定だ。
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