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有機ELも裸眼立体視、ソニーの3Dテレビ試作機が続々2011 International CES

» 2011年01月10日 18時59分 公開
[小山安博,ITmedia]

 「2011 International CES」のソニーブースでは、薄型テレビを中心として3Dに注力した展示を行っていた。液晶テレビ“BRAVIA”をはじめ、有機ELパネル搭載の裸眼立体視対応機、さらに有機ELを使用したヘッドマウントディスプレイまで登場した。このほかにも、PCの“VAIO”シリーズやビデオカメラの“Handycam”、デジタルカメラの“CyberShot”にも3D対応機が登場するなど、ソニーの3Dワールドは急速に拡大している。

ソニーブースの外観と北米向けのBRAVIA新製品。写真は最上位機種に位置づけられる「HX929シリーズ」の55V型だ

 まず、北米向けの新製品として、「モノリシックデザイン」を採用したBRAVIAを22V型から60V型まで27機種を発表した。このうち、16機種がフレームシーケンシャル方式の3D対応モデルだ。従来は上位モデルを中心に3D対応していたが、今回は普及機にまで拡大している。

 また、22機種に無線LAN(IEEE802.11n)または有線LANを内蔵してインターネット接続に対応。ソニーのビデオ・音楽配信の「Qriocity」をはじめ、「Netflix」「Pandora」「HuluPlus」「YouTube」といった各種ネットワークサービスに直接アクセスできる。

 さらに「Skype」にも対応。別売のWebカメラ「CMU-BR100」を接続することで、テレビ画面を使ったビデオチャットが可能になるほか、テレビを視聴しながらの音声通話も行えるという。ほかにも楽曲情報の「Gracenote」を用い、テレビ番組やビデオを視聴しているときに流れた音楽のアーティストやアルバム、曲情報を表示する機能も加えられるなど、ネットワーク機能を大幅に強化した。

 また、新製品では「X-Reality PRO」もしくは「X-Reality」と呼ばれる新しい画像処理エンジンを採用している点も特長だ。ノイズの低減、色再現性や精細感の向上といった機能を持ち、テレビ放送のみならずインターネット上の動画コンテンツに対しても効果があるという。米国での発売時期はモデルによって異なるが、2〜4月までにかけて順次発売していく。

「X-Reality PRO」による解像感向上のデモンストレーション。上がX-Reality PROを使ったもの。処理が高速になっているため、遅延も減ったという(左)。X-Reality PROのチップ

裸眼立体視に対応したプロトタイプも

 3Dテレビでは、裸眼立体視に対応したプロトタイプのテレビも展示している。24.5V型の有機ELパネル、46V型の2Kパネル、56V型の4K2Kパネルをという3種類のサイズを用意。さらに、裸眼立体視が可能な10.1インチ液晶を搭載したポータブルBDプレーヤーも展示している。

 これらは完全なプロトタイプのため、発売時期などの詳細は全く決まっていない。ソニーによると、さまざまなサイズで裸眼立体視をテストしているという。

裸眼立体視対応の24.5V型有機EL(左)。10.1インチのポータブルBDプレーヤー。解像度は1366×768ピクセル

 3D対応のヘッドマウントディスプレイのプロトタイプも初披露。右目用と左目用にそれぞれ有機ELパネルを搭載しており、異なる映像を映し出すという構造のため、液晶テレビのようなクロストークが発生しない。最初に視点の位置を合わせるために係員が使用者の目をチェックして、それに合わせた設定を行う、というアナログな作業があったものの、きちんと設定をして見てみると、きれいな3D映像が目の前に広がった。また、耳元にサラウンド対応のヘッドフォンが付いている点もユニーク。手軽にパーソナルな3Dシアターを楽しめそうだ。

3Dヘッドマウントディスプレイ。有機ELパネルの解像度は1280×720ピクセル。オーディオは5.1ch対応

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