アプリやサービスを追加できることも重要です。日本市場は単一民族ということもあって比較的ユーザーの好みも同じベクトルにありますが、米国のユーザーは多様なニーズを持っています。例えばスペイン系の人たちは“大音量”にこだわるといった具合で、ニーズが細分化されています。それぞれに対応するのは大変なので、パナソニックはVIERA Connectのプラットフォームをオープン化して、個々のユーザーニーズにあったアプリやサービスをパートナー企業に作ってもらう方法を採ったのです。
操作性もとても重要です。VIERA TabletはAndroidベースですが、テレビをより使いやすくするには「iPad」などの汎用タブレットやスマートフォンを使うより、専用設計のほうが有利と考えたのでしょう。実際、VIERA Tabletは単なるタブレット端末やスレートPCではなく、テレビのリモコンの延長であり、複雑化したテレビをより簡単に使うという“スマート化”の視点で開発されたものです。
例えば、テレビに向けてタブレットの画面を操作すると、タブレットで見ていた画面がテレビに移動したりといった直感的な使い方ができます。それからスポーツ中継の多視点サービスもユニークでした。テレビではメインの視点を表示して、タブレットでは別角度からの映像を見ることができるなど、とても面白い使い方ができます。
そしてもう1つ。LGエレクトロニクスの提案は、とても分かりやすいものでした。“スマート”という言葉ですべての製品をくくり、スマートフォンにスマートテレビ、そしてスマート家電も展示していました。コンシューマーエレクトロニクスの機器すべてを“スマート”にして、よりインテリジェントに、エコロジーに使いましょうという提案です。中でも“スマートテレビ”は今年の大きなキーワードになっていて、開幕前日の記者会見では「ブロードバンドテレビからスマートテレビへ」というメッセージを打ち出しています。
ネット接続によって、テレビはインフォメーションのハブとしてさらに重要な存在となります。テレビメーカー各社は、テレビを新しい時代にふさわしいネットワーク端末(=スマートテレビ)にすることで、よりパワーアップさせようとしています。これは、今年の重要なテーマの1つといえるでしょう。
――次回は「3Dの新展開」について詳しく聞いていきます。
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