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“面倒”を排除したポストミニコンポ、パイオニア「スマートモバイルオーディオ」を聴くネットワークオーディオを手軽に(2/2 ページ)

» 2012年08月03日 23時30分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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「Wireless Direct」は“高音質版Bluetooth”?

 もう1つの大きな特長が、「Wireless Direct」だろう。通常、AirPlayなどに対応したワイヤレススピーカーを設置するときは、宅内の無線LANに加え、アクセスポイント経由でデータを送受信する。しかし、すべての家に無線LANルータが設置されているわけではないため、スマートモバイルオーディオとスマートフォンなどが1対1で無線接続する独自仕様、Wireless Directを盛り込んだ。

有線LANポートとUSBポートを背面に備えている。USBはiPhone/iPodのデジタル接続に対応。5ボルト給電はあるものの、スマートフォンなどの充電については正式サポートしていない(左)。付属のACアダプターとリモコン(中、右)

 スマホやPCで無線LANを検索すると「Wireless Direct ××」といったSSIDが見え、1台の端末に限ってパスワードなしで接続できる。「パスワードの煩わしさをなくすため、あえてセキュリティーを外しました。ただし、同時に接続できるのは1台のみ。2台めが接続しようとしても、1台目から接続を切断するか、1台目が無線LANの圏外に出るかしないと接続できません」(同氏)。

 同様に1対1で接続する技術としてWi-Fiアライアンスが策定した「Wi-Fi Direct」もあるが、Wi-Fi Directはサーバ側(BDレコーダーやスマホなど)がアクセスポイント代わりになるのに対し、Wireless Directではクライアント(スマートモバイルオーディオ)がアクセスポイントになる。つまり、仮に不正に接続されても「音楽を再生する」以外のことはできない。この仕様自体もセキュリティリスクを軽減している。

 手軽なワイヤレス接続を可能にしたWireless Directだが、1対1の接続では「ネットワーク内のPCが持つiTunesライブラリを再生する」といった“3BOX”(iPhone、PC、スピーカー)の運用はできない点に注意したい(もちろん無線ルータがあれば可能だ)。同社によると、Wireless Directは「Bluetooth接続の代わり」として用意したという。

 「われわれは、Wireless Directを“Bluetoothの高音質版”ととらえています。Bluetoothは伝送距離が約10メートルとエリアが狭く、音声データも圧縮されてしまいます。Wireless Directなら約40メートルと広く、また非圧縮伝送のため“CD並みの音質”でワイヤレス再生が楽しめます」(橋本氏)。


 無線LANのメリットにBluetoothのような手軽さも取り込んだスマートモバイルオーディオ。欲をいえば、パイオニア推奨のDLNAアプリなどが提供されるとさらに利便性は高まると思うが、少なくとも使い勝手と音の両面で注目の製品といえそうだ。

 「ワイヤレススピーカーの分野は、国内ではまだBluetoothスピーカーが中心で、Wi-Fiモデルは立ち上がったばかり。DLNAアプリの提供なども含め、ネットワークを利用して“もっと楽しいシーン”を広げていくことにアイデアを出していきたいと思います」(同氏)。

型番 XW-SMA3-K XW-SMA1-K
DLNA1.5/AirPlay
無線LAN IEEE 802.11b/g(Wireless Direct機能付き)
バッテリー なし
IPX 3 なし
カラー マットブラック 光沢ブラック
本体サイズ 320(幅)×180(高さ)×145(奥行き)ミリ
重量 4.1キログラム 3.6キログラム
実売想定価格 3万5000円前後 2万5000円前後
発売日 8月下旬 7月下旬
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