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ツウ好みの構成、侮ってはいけない中国ブランドのUSB DAC──上海問屋「DN-82544」野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review(2/2 ページ)

» 2012年09月21日 14時00分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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ポップスやR&Bのジャンルにお勧め、実はFOUR CHANNEL製

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 では試聴しよう。まずはヘッドフォン出力をSHURE「SRH1840」を用いて聞いてみる。

 ふむ。ていねいさやこだわりが伺える内部仕様のためか、そのサウンドクオリティも良好だ。中でも聴感上のダイナミックレンジが優れていて、メリハリがよく印象度の高いサウンド。傾向としては、音数の多さよりもキレのよさで聞かせるタイプだ。とはいっても決して音数が少ないわけではなく、音色も自然。そのため、ポップスやR&Bのジャンルでなかなかノリのよい演奏を楽しませてくれる。

 アナログRCA出力もサウンドの傾向は似ていた。こちらはボリュームがスルーされる分、SN感が少し向上した印象で、よりピュアなサウンドになってくれている点が好ましい。


photophoto アナログRCA出力時の試聴機器 Carot One「ERNESTOLO」(真空管アンプ)、ELAC「BS52.2」(ブックシェルフスピーカー)

 と、ここまでいろいろと試聴していると、ふとフロントパネルに「FOUR CHANNEL」のロゴがあるのに気がついた。FOUR CHANNELは近年、真空管アンプやスピーカーなどのオーディオ機器に力を入れている中国メーカーのブランドだ。本連載でも、2012年2月に真空管アンプ「AF-02」を紹介しており、そのコストパフォーマンスのよさに「はじめから、かなり高品位なレベルでPCオーディオをはじめたい人向け」と評価した。DN-82544は、そのFOUR CHANNEL製機器のブランド違いモデルとして、そのクオリティには、しっかりした裏付けがあったということだ。

 というわけで、この価格帯で定評のある定番内部パーツを使っている点から、最初からそこそこのクオリティでPCオーディオを始めたいという人に意外と魅力的な候補になるだろう。いや、逆にいえば、このくらいのクオリティを持つ製品からスタートしてこそ、PCオーディオの“おいしいところ”を今後も満喫できると思う。いずれにしろ、初心者も含めて幅広く推薦できる、コストパフォーマンスの高い製品だ。


音質評価 DN-82544
解像度感      (粗い−−○−−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−−○−ワイド)
帯域バランス (低域強調−−−○−フラット)
音色傾向 (迫力重視−○−−−質感重視)


●「DN-82544」を上海問屋で購入する
アルミボディ DAC機能付きUSB接続ヘッドフォンアンプ


試聴曲

  • Marcus Miller「Jean Pierre/FREE」
  • 小曽根真「ドゥムカ(あるべきもなく)/Road to Chopin」
  • 上原ひろみ「voice/voice」
  • 新居昭乃「きれいな感情/sora no uta」
  • santana「Whole Lotta Love/Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics of All Time」


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