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感性に訴えるLEDシーリングライト、パナソニックが発表目もさめます

» 2013年01月16日 20時29分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 パナソニックは1月16日、LED照明“EVERLEDS”(エバーレッズ)の新製品として、LEDシーリングライト4機種を発表した。人の持つ感性をものづくりに生かす「感性工学」を採り入れ、気分をすっきりとさせる明かり、くつろぎ感を高める明かりなどを用意、空間演出の幅を広げている。

“EVERLEDS”(エバーレッズ)の新LEDシーリングライト

 パナソニックでは、以前からLED照明の調光・調色機能に独自の配光制御を組み合わせ、「くつろぎのあかり」「シアターのあかり」「勉強のあかり」などをプリセットしていたが、今回は感性工学に基づく「感性指標化技術」を用いて各モードをブラッシュアップ。さらに新モードを加えている。

LEDモジュールは、センター4列(左)と側面に搭載。側面は天井を照らす間接光となる(中、右)

 まず新設のモードは「すっきり」。色温度で9000ケルビンとなる青みがかった白色で、一般的な昼光色(色温度は6500ケルビン)よりさわやかで、すがすがしい雰囲気を演出する。また、「くつろぎ」の明かりは、従来の2700ケルビンから2000ケルビンに変更された。「人は快晴の青空や夕暮れの空など、自然の光に心地よさを感じる。快晴の空をイメージした“すっきり”は、朝の目覚めやリフレッシュしたいとき、“くつろぎ”はリラックスしたいときなどにおすすめ」(同社)。

すっきりの明かりは、白色のセンター光に青い間接光を組み合わせて色温度9000ケルビンを作り出す

くつろぎの明かりは2000ケルビン。さらにセンター光を落とすと覚醒感が大きく下がるため、就寝前におすすめ

 これらの色温度を決定した感性評価技術は、実際に明かりを設けた部屋で被験者の脳波を測定する「生理解析」と、アンケートによって心理状態を測る「心理解析」を実施。心理学者・ラッセルが提唱した感情モデルに照らし合わせ、“快適感”と“覚醒感”の2軸で評価する。

ラッセルが提唱した感情モデル(左)。共同研究を行った関西学院大学理工学部感性情報学の長田典子教授(右)

実験の様子。被験者は30〜60代の男女16人で、脳波測定とアンケート調査に協力した

 「例えば“くつろぎ”のあかりでは、心理解析結果では従来の電球色よりもくつろぎの値が高くなり、生理解析では電球色より“快適感”がアップしている」(同社)。さらにセンター光をオフにすると、“覚醒感”が大きく下がるという。

 研究に協力した関西学院大学理工学部感性情報学の長田典子教授は、「色温度だけではなく、間接光を含むトータルな配光の影響でくつろぎ感がアップしている。光の快適性を、2つのものさしで評価できたのは非常に意義がある」とした。

 また「勉強のあかり」は、白と黒のコントラスト感が高い(=文字が読みやすい)色温度の6200ケルビンに設定し、明るさも従来機よりも10%アップ。教科書やノートが読みやすくなる。一方の「シアターのあかり」は、基本的に従来機と同じで、間接光のみを使ってテレビ背面の壁を照らす仕組み。映画を観ながらの飲食やリモコン操作時には、センター光を加えればいい。

勉強のあかり(左、中)とシアターの明かり(右)。シアターの明かりは、間接光でテレビ背面の壁を照らし、画面を見やすくする効果があるという

 もちろん自動節電機能の「エコナビ」も搭載。センサーで部屋の明るさを検知し、自動的に調光(約5〜100%)や消灯を行う。また、リモコンの「おまかせボタン」で点灯すると、設定した時刻に各あかりシーンを用いて自動的に明かりが変化するという新機能も用意した。このとき、エコナビも同時に働くため、例えば朝の時間帯は「すっきり」モードで目を覚まし、昼間は自動調光で節電、夜は「くつろぎ」モードといった切替が手間なく行える。各モードが変化する時間はユーザー設定も可能だ。

リモコンで各あかりを一発選択(左)。カバーを開けるとあかりを変化させる時間などが設定できる(中)。緑のLEDはエコナビ動作中の印(右)

 新製品のラインアップは、8畳まで、12畳までの部屋に対応する2サイズ。それぞれに凸型カバータイプと通常カバータイプの計4製品を用意した。いずれも2月20日に発売予定。価格はオープンプライスだが、店頭では8畳までの2製品が5万5000円前後、12畳までの2製品は6万5000円前後になる見込みだ。

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