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モバイル端末でのダウンロード視聴も開始、ひかりTVがサービスを強化(2/2 ページ)

» 2013年10月21日 17時17分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 クラウドゲームサービス「ひかりTVゲーム」も、11月からマルチデバイスに対応する。現在提供されている33本のゲームのうち、31本がスマートフォンやタブレットでもプレイできるようになる見込み。スマートフォンなどの場合、操作ボタンはゲーム画面にオーバーレイ表示される仕組みになっており、コントローラーは必要なし。ただし、担当者は「将来的にはBluetooth接続のコントローラーもサポートしたい」と話していた。

「ひかりTVゲーム」をスマホやタブレットでも楽しめる(左)。将来的にはBluetooth接続のコントローラーなどをサポートしたいという(右)

4Kトライアルの視聴はイベントや展示場で

 コンテンツに関しても多くの発表があった。

 まず、10月28日から「NHKオンデマンド」の単品および月額見放題パックをPCやスマホ、タブレット向けに順次提供する。また11月4日からは「ひかりTVチャンネル3」で「NHKワールドTV」の24時間放送を開始。NHKワールドTVは、NHKが英語でニュースや情報番組を提供しているものだ。「東京オリンピックも決まり、英語を勉強したい人もちょうどいい。全国で視聴できるのはひかりTVが初だと思う」(板東氏)。

 また、10月25日から放送するひかりTV初のオリジナルドラマ「24時間女優」、11月10日の「AKB48グループ ドラフト会議」といったオリジナル番組にも力を入れる。ドラフト会議は、アイドルを目指す女の子たちのAKB 48入りを決定するもので、実際の野球ドラフト会議と同じ会場・方式で開催される。ひかりTVでは、当日の完全生中継に加え、翌11日からはドラフト会議の模様や候補者のドキュメンタリーをVODで放映する予定だ。

初のオリジナルドラマ「24時間女優」と「AKB48グループ ドラフト会議」

 2014年7月頃の実施を予定している4K-IP放送(IPマルチキャスト)のトライアルについては、初めてオリジナル4Kコンテンツ「下町ボブスレー」のデモ映像が公開された。映像はH265(HEVC)の4K/60pで、帯域幅は30Mbps程度。「撮影は順調に進行中」という。

 ただし、今回のトライアルは残念ながら一般家庭で視聴することはできないようだ。視聴には開発中の専用チューナーが必要となるが、そのサイズなども考慮すると一般ユーザー宅に配るのは難しいという。「現実的には展示場などで見てもらうことになるのではないか。少なくともNTTグループの主要なイベントや展示場では見られるようにしたい」(同社)。

「下町ボブスレー」のデモ映像。手前から4K/60p、4K/30p、フルHDで映し出したもの。比較視聴ができた

 このほかコンテンツ面では、クリエーターの支援を通じたコンテンツ制作スキームを展開することも明らかにしている。クリエーター教育機関と提携し、来年の1月から学生が作成したゲームをひかりTV会員に提供。そのなかで人気の高いものはクラウドファンディングなどを通じて資金を集め、次回作や続編を制作する。「新しい才能を発掘できるスキームだ。今後は映像コンテンツや商品開発への展開も検討していく」。なお、パートナーとしては、HALやアミューズメントメディア総合学院などの名前が挙がっている。

 多岐に渡るサービスを提供する「ひかりTV」だが、板東社長のメッセージは意外とシンプルだ。「われわれのコンセプトは、“スマートTV”だ。ひかりTVこそがスマートTVだといってもらえるように努力していく」(板東氏)。

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