フールージャパン LLCは12月18日、ソニー・コンピュータエンタテインメントの家庭用ゲーム機「PlayStation Vita TV」にオンライン動画配信サービス「Hulu」が対応すると発表した。翌12月19日(金)からPS Vita TV用のアプリがダウンロード可能になる。
Huluは、月額980円で映画やドラマが見放題となるサブスクリプション型VODサービス。PS Vita TVのユーザーは、ホーム画面にある「PlayStation Store」からHuluアプリをダウンロードできる。既にHuluのアカウントを持っている人は、IDとパスワードを入力してすぐに利用できる。また、PS Vita TVから新規加入の手続きを行うことも可能だ。
PS Vita TVで新規登録を行う場合、通常の倍にあたる1カ月間の無料トライアル期間が設けられていることもポイント。なお、ゲームコントローラーを使って文字を入力するのが面倒という人のために、登録画面にはスマホ向けのQRコードやPC向けの登録用コードを表示する機能もある。これを利用すると、PS Vita TVで登録した場合と同様、1カ月間の無料トライアル対象となる。
Huluでは、一部端末を除いてユーザーインタフェースの統一を図っており、今回も「リビングルーム用」(同社)という画像を多用したリッチな画面構成にした。上部におすすめコンテンツの名シーンを大きく表示し、その下には「新着」や「映画」などの大分類メニューを縦に配置。それぞれ横にスクロールすると詳細が表示されるというスタイルだ。同社プロダクト部の福田剛部長によると、「コンセプトは、ゲーム用のコントローラーで操作しやすいこと」という。
もちろん、ほかの対応デバイスと同様、視聴中コンテンツの「続き再生」やキーワード入力によるコンテンツ検索機能、見たいコンテンツを登録しておける「マイリスト」なども用意。「字幕切替」にも対応し、英語学習に利用したいユーザーのニーズにも応える。
画面表示の滑らかさ、画質にもこだわったという。ポータブル機のPS Vitaとプラットフォームは共通とはいえ、テレビへの出力が前提となるPS Vita TVでは大画面で見ることを想定しなければならない。福田氏は、「PS Vita用のアプリをそのままPS Vita TVに持ってくることもできるが、大画面テレビで見たときの表示品質がかなり落ちてしまう」と指摘する。
このため同社では、ソニー・コンピュータエンタテインメントと協力し、アプリなどさまざまな部分に手を加えた。PS Vita TVのHDMI出力は720p/1080iが上限ではあるが、Huluのユーザーインタフェースはサーバから1080pで送出することで品位を高める(コンテンツ自体は720p)。また、12月10日にはPS Vita TV側のファームウェアアップデートも行われ、これが表示品位の向上に貢献した部分も多いという。
「Huluにはフールー・ハイ・クオリティー・バーという社内基準があり、とにかく一番良いものを提供したいと考えている。今回はソニー・コンピュータさんの全面的な協力もあり、理想的なアプリを出すことができた」(同氏)。
PS Vita TVは、ゲーム機でありながらSTB(セットトップボックス)の要素も強いデバイスだ。福田氏は、「コアなゲーマーのみならず、ライト層にも間口を広げる新デバイス。クリスマス前にアプリを提供できたので、ぜひ体験してほしい」と話している。
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