新聞各紙は、5月25日から26日にかけて、ソニーとパナソニックが有機ELテレビ事業を売却し、撤退する検討に入ったと報じた。製造コスト引き下げが難航し、普及は難しいと判断したという。
有機ELは、プラズマテレビなどと同じ“自発光”デバイスで、現在主流の液晶テレビに比べてコントラストなど画質面で優れる。ソニーは2007年に11V型の「XEL-1」を発売したが、大型パネルの量産技術開発に苦戦。現在は放送業務や医療用を中心に20V型クラスを展開している。
2012年6月には、50V型以上の有機ELパネル量産技術の確立を目指してソニーとパナソニックの共同開発が実現したが、翌2013年の年末に期限通り解消。ソニーが推進する低分子有機ELをパナソニックの印刷方式で製造するメドが立たなかったためといわれている。
報道によると、両社は有機EL事業をジャパンディスプレイ(JDI)に売却する方向で調整に入ったという。一方、今回の報道についてパナソニック広報では、「さまざまな検討をしているが、決定した事実はない」とコメント。またソニー広報も「今回の報道は、われわれが発表したものではない。現時点では放送用途などのビジネスを行っており、民生用テレビについても開発は継続している」とした。
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