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新生J:COM、JCNエリアでも共通のサービスを提供へAMラジオの再送信も開始

» 2014年05月26日 20時48分 公開
[ITmedia]

 ジュピターテレコムは5月26日、事業説明会を開催してJCN統合後の体制を明らかにした。同社は昨年12月にJCNの全株式を取得して連結子会社化し、今年4月には経営を統合。これにより、国内でCATV経由で多チャンネル放送を視聴している約801万世帯のうち、半数にあたる約400万世帯を抱える巨大MSO(Multiple Systems Operator:複数のCATV局を運営する事業者)が誕生した。

ジュピターテレコムの牧俊夫社長と新しい企業理念

 旧JCN傘下のCATV局は20局あるが、すべて6月1日にJ:COM局へ名称を変更し、サービスブランドも「J:COM」に統合される。対象エリアの広い局を分割するため、J:COMグループは31社74局体制になるという。

サービス提供エリア(左)とマーケットシェア。CATVで多チャンネル放送を視聴している世帯の約50%、また地デジ/BSの再送信では国内全世帯の25%に届く(右)

新しいブランドスローガンは「もっと、あなたに響くこと。」(左)。新生J:COMは、地域に必要とされる「生活サポート企業」を目指すという(右)

 6月以降は、現在のJ:COM局と同じサービスを全局で提供する。例えばJ:COMが力を入れている「Smart J:COM Box」とタブレット端末によるスマートテレビサービスは、夏をメドに旧JCNエリアでも展開する計画だ。7月以降は、アニメやニュース系チャンネルなど、リアルタイムでストリーミング視聴できる専門チャンネルを追加するほか、タブレット端末の配布キャンペーンなどを通じて多チャンネル放送のユーザー獲得につなげる。

スマートテレビサービスの概要と契約世帯数の推移

タブレットを活用する生活密着型コンテンツサービス「くらしナビゲーション」(左)。「J:COM電力」の概要(右)

 マンション向け電力供給サービス「J:COM電力」も旧JCNエリアに展開する。J:COM電力は、特定規模電気事業者のサミットエナジーからJ:COMが高圧電力を購入し、マンション居住者に供給するというもの。地域電力会社に比べて5%割安な料金になるうえ、J:COMの放送・通信サービスとセットなら、さらに3%の割引が上乗せされる(計8%)。

コミュニティチャンネルを統合(左)。新サービスのAM再送信の概要(右)

 また両社が運営するコミュニティチャンネルも6月から「J:COMチャンネル」に名称を統一。「旧JCN系列局は、以前のJ:COMのような地域密着型の良い番組を作っている。費用対効果を見ながら良い部分を残していきたい」(森会長)。なお、6月1日には“統合記念特番”を、朝6時から夜10まで16時間連続で生放送する予定だ。

 さらに同日発表した“AMラジオの再送信”も双方のエリアで提供する。このサービスは、コミュニティチャンネルのデータ放送を使い、在京AMラジオ3局(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送)の同時再送信を行うというもの。J:COMの有料放送に加入していない家庭(地上波/BSの再送信だけ)でも地上波10ch「J:COMテレビ」のデータ放送メニューから「AMラジオを聴く」ボタンを押すだけで聴取可能になる。

 「首都圏のJ:COMユーザー約441万世帯が一斉にAMラジオ受信機を持ったようなもの。さらに準備が整えば、旧JCN局の400万世帯も加わる」(同社)。対象エリアは東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬の1都5県だが、「ほかの地域でも地元AM局との協業を検討している。地域密着型メディア同士の連携による価値創出につなげたい」(同社)。

夏にはスマートテレビサービスで「J:COM史上最大」のプロモーションを計画中(左)。4K試験放送が6月2日にスタート。一般家庭への4K STB提供は未定。J:COMショップなどで視聴できる(右)

 一方、J:COMとJCNの社内インフラについても統合も進める。両社はコールセンターや営業体制、社内基幹システムなども来年夏までに順次統合していき、規模のメリットとシナジー効果を追求する考えだ。同社の牧俊夫社長は、「JCNは20社それぞれの社長が裁量権を持つ独立性の高いMSOだった。一方で営業は外部に委託するなど、自前主義のJ:COMとは異なるカルチャーも多い。今後は営業契約社員の正社員登用などを含め、社員のベクトルを合わせていく必要がある」と話している。

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