梅雨にご用心――アレルギー専門医が語るハウスダスト対策の重要性
「ダニ対策は梅雨の時期が重要」――レイコップ・ジャパンの新製品発表会で「ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック」の永倉仁史院長が登壇し、専門医の立場から小児ぜんそくとハウスダストの関係を解説した。
小児ぜんそくは、環境アレルゲンに対する特異的な抗体(IgE抗体)が引き起こす“アトピー型”が多く、主な原因は、ダニの死骸やふん、カビ、花粉、動物の毛といったハウスダスト。約80%が3歳までに発症するという。「ぜんそくは呼吸が苦しくなったり、睡眠中に発作が起こると呼吸が妨げられて“断眠”が起こるなど、日常生活に大きな影響を及ぼす。さらに睡眠不足により、高血圧や肥満、糖尿病、うつ病など、さまざまな健康リスクも高まる」(永倉氏)。
神奈川県衛生研究所が一般家庭34世帯のアレルゲン量を調査したところ、44%の家庭から発作を引き起こすレベル(WHOの基準を超える)のダニアレルゲン量が検出された。「ぜんそくの子どもは、1960年代は1%に満たなかった。しかし、現在は子どもで10%、大人でも6~10%。確実に増加していることが分かっている」という。
なぜ増加しているのか。永倉氏によると、日本はアレルゲンとなるダニが繁殖しやすい環境にあるという。「ダニが増える条件は気温25~30度、多湿な気候、エサとなるフケやアカが豊富、そして卵を産みやすいこと。気温と湿度の条件でいえば、6~7月の梅雨はダニにとって絶好の繁殖期。また有症率増加の要因は、アルミサッシの登場による住宅の高気密化や断熱化もある。住宅性能の向上がダニを繁殖させやすい環境にしている」。
症状を効果的に抑える治療として「吸引ステロイド薬」があるが、一方でその副作用も懸念されている。5~6年間にわたり吸引ステロイド薬の治療を続けた子ども達と、使わなかった子ども達を比べると、24.9歳の時点で身長に1.2センチの差が出た調査結果もある。永倉氏は「症状を抑えることに役立つが、使い続けると子どもの成長抑制のリスクもある。薬の使用量を抑えるだけではなく、予防、発症させないことが重要だ」と指摘した。
小児ぜんそくの発症は夏から秋にかけて増加傾向にある。それは、高温多湿になる梅雨の時期に急増したダニが秋口に死に、死骸がハウスダストとなって“飛び散る”ためだ。永倉氏は、「10月頃に室内のアレルゲンが増えることになる。対策は家の中のダニを除去すること。寝具や床、ふとんカバーの交換など、まさにこの時期からの対策が重要だ」と警鐘を鳴らした。
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