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アイ・オー・データ機器が本格派オーディオ用NASを参考展示――20万円以下で年度内投入へオーディオ&ホームシアター展

» 2014年10月18日 16時14分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 10月17日に開幕した「オーディオ&ホームシアター展2014」。アイ・オー・データ機器のブースには、先日予告したオーディオ専用NASのプロトタイプが展示されていた。

アイ・オー・データ機器が開発中のオーディオ専用NAS試作機

 同社の既存モデル「RockDisk Next」ユーザーの声を集約し、イチから開発したという意欲作。外観は極めてシンプルで、フロントパネルには電源ボタンと控えめなLEDが1つしかない。AVラックに似合うデザインでありながら、存在感はあまり主張せず、脇役に徹している印象だ。正確はサイズは分からないが、下にあったフルサイズ(430ミリ)のオーディオ機器よりひとまわり小さかった。

 その代わりといっては何だが、重量感はたっぷり。それもそのはず、展示機は3.5インチHDDを2台搭載する構成だったが、重量は7.5キログラムもあるという。天版は4ミリ厚のアルミ製で、底面には2.3ミリ厚のスチールを使用。大型のインシュレーターは交換が可能で、3点支持、4点支持の両方に対応している。

内部。T字型のビームを左右と中央に入れ、HDDと基板を物理的に仕切っている

 中をにもコダワリが詰まっている。まず気づくのはT字型のビームを左右と中央に入れ、HDDと基板を物理的に仕切っていること。HDDはフローティング構造のヒートシンク付きホルダーに格納され、放熱と制振を両立させた。ファンレス構造として静粛性の向上にも貢献する。

 新設計の専用基板は、電源の整流回路をセパレート化するなどノイズ対策を徹底。とにかくクリーンなデータ伝送を目指し、余計なノイズはすべて排除するという。このため、ノイズフィルター搭載のACインレットをはじめ、LAN端子のステータスLEDも取り除くなど、細かい部分まで手を加えた。50ワットの大容量スイッチング電源や電解コンデンサー、温度補償型クロックなどパーツ類も今までのNASとは違うオーディオグレード品を中心にチョイスしている。

内部の解説

 中でも特徴的なのは、大型のLANパルストランスだ。「PC相手のNASならエラー訂正も効くが、ハイレゾファイルのストリーミング再生ではより精度の高い信号伝送が求められる。今回のパルストランスは、周波数許容偏差が1.5ppmまで向上している。つまり、従来の20倍近い精度でクリーンなデータを供給できるということ」(同社)。

 なお、製品版のHDD容量など詳細は未定だが、展示機には2Tバイトの3.5インチHDD2台を搭載して、ミラーリングを行っていた。サーバソフトはTwonkyのDSD対応版を使用する予定だ。

 同社では「今年度内」の市場投入を目指して開発を進めており、価格については「HDDの構成などで変わるが、20万円以下をターゲットにしている」と話していた。先行したバッファロー「DELA」のように、新しいブランディングを行う可能性もありそうだ。

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