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ソニーが「北斗星」のラストランをハイレゾ収録、「mora」で数量限定無料配信!向谷実氏が監修

» 2015年03月27日 13時00分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]
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 ソニーマーケティングは、3月13日/14日に定期運行を終えた寝台特急「北斗星」が最後に上野駅を発着する様子を収録したハイレゾ音源を数量限定で無料配布すると発表した。同社のハイレゾ音源配信サイト「mora」で3月27日(金)の13時から配信をスタートする。

3月13日/14日に定期運行を終えた寝台特急「北斗星」

ソニーのリニアPCMレコーダー「PCM-D100」

 収録にはソニーのリニアPCMレコーダー「PCM-D100」2台を使用し、上野駅のホームで収録した。配信フォーマットは192kHz/24bitのFLACだ。

 「出発に際し、咆哮のように悲しくも力強く鳴り響く警笛、唸るように鳴り響くブロワー、最後の旅の出発を一歩一歩踏みしめるかのように静かに、ゆっくりと通過するジョイント音、そしてラストランを見届けた約3000人の地鳴りのような歓声など、あの日、あの場所にあった“音”を忠実に再現した」(同社)という。

 また「北斗星」だけでなく、機関車「DF200-7000」の音もハイレゾ音源化。 通常立ち入ることができない機関室における音を収録した貴重な音源となる。各音源は、それぞれ1万ダウンロードまでの数量限定で、ダウンロード数が1万件になり次第、配信を終了する。

北斗星 ラストラン上野駅発着シーン

1、2015年3月13日 上野駅 入線音

2、2015年3月13日 上野駅 出発音

3、2015年3月14日 上野駅 到着音

4、2015年3月14日 上野駅 車庫への回送出線音

(収録協力:JR東日本)

機関車 DF200-7000

1、アイドリング〜加速〜惰行〜再加速音

2、減速〜停止音

3、ハイアイドルモード切替え音

向谷実氏の聴きドコロ

監修を担当した音楽プロデューサーの向谷実氏

 今回の試みは、熱狂的な鉄道ファンとして知られる音楽プロデューサーの向谷実氏監修のもと実施された。向谷氏は、「ハイレゾでこのような鉄道の音を収録してみて、これほど鉄道の音に向いているものはないなと思いました。左右だけでなく、上下、全体の奥行き感、リアルな迫力すべてを感じ取ることができる。今まで聴いていた世界よりもずっと生々しく記録されるんです。“鉄道ファンで良かった”と感じるほどの迫力で、音というのは奥が深いなと改めて監査せられましたね」とコメントしている。

 また音源の聴き所についても「けたたましく鳴り響く汽笛や、電気機関車のブロワー音、電源車の唸るような音、客車が揺れる音……もう聴けることのない最後の“姿”が、横を通過し遠のいていく、または近づいてくる様は必聴。通過する空気の動きまでも感じることができ、切なさがこみ上げます。また、上野駅発車の際に、演奏を背に姿が遠のいていく『北斗星』を多くの人が声援で見送るシーンや、到着の際に駅員が自動放送でなく生で『上野〜、上野〜』とアナウンスをするシーンは、さまざまな人の想いが音と共に巡り、グッときましたね。特に駅員が生でアナウンスをするシーンは、JR社員達の『北斗星』に対するリスペクトの念が音を通じてひしひしと伝わってきます」。

機関車「DF200-7000」と向谷氏

 北斗星は、東京と北海道をつなぐ青函トンネルが開業した1988年に上野ー札幌の直行列車として運行を開始。走行距離1214.7キロメートルは当時最長で、寝台列車「ブルートレイン」の愛称とともに親しまれた。しかし車両の老朽化や北海道新幹線の走行試験などを理由に2015年3月14日に定期運行を終了。8月までは臨時列車として運行されるものの、約60年にわたる「ブルートレイン」の歴史は幕を下ろすことになる。


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