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スピーカー設計の達人が作った平面駆動型ヘッドフォン―― MrSpeakers「ETHER」開発者インタビュー秋のヘッドフォン祭2015(3/3 ページ)

» 2015年10月24日 15時24分 公開
[山本敦ITmedia]
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 クラーク氏が平面型ヘッドフォンにこだわる理由は、「そのサウンドが好きだから」と、極めて答えはシンプルだ。クラーク氏は音づくりの思想についてこう語っている。「これまでにさまざまな方式のヘッドフォンを聞いてきましたが、私はやはり平面駆動型が一番よい音だと感じるし、エンジニアとしてチャレンジのし甲斐があると感じています。平面駆動型のヘッドフォンを手がけるメーカーは数社ありますが、それぞれのメーカーごと、モデルごとに豊かな個性があります。私がこのETHERで目指したのは、ヘッドフォン・サウンドを可能な限り『ライブ』なものにすることです。とてもスムーズなバランスとレスポンスの良さが平面駆動型の特徴ですが、MrSpeakersの場合は意図的に低域を誇張したり高域を輝かせた音づくりはしません。まさにホールやライブ会場で聴いた時のままの音楽をヘッドフォンで再現することが私たちのミッションです」

ヘッドバンドは柔軟

付属のキャリングケース

 ヘッドフォンの音響特性をフラットなものにすることのメリットについては、昨今のオーディオリスニングにおいて、メインのソース機器の1つになりつつあるPCで音楽を再生するときに、EQの効果などが正しく反映されて、音楽を聴く楽しみがさらに広がるのだとクラーク氏は語っている。

軽快な装着性能にも配慮/バランスケーブルにも対応

 質量は開放型が375グラム、密閉型が394グラム。ヘッドフォン全体の質量を軽くして、軽快な装着性を実現するため、ヘッドバンドのワイヤーにはニッケル・チタン合金を採用。イヤーパッドの素材には柔らかく肌触りの良いラムスキンを使っている。フラットな形状としたことで、装着した時のプレッシャーを抑え、全体のサイズダウンや密閉性の向上にもつなげている。

 ヘッドバンドの素材はイタリアン・レザーとマイクロスエード。実際に身に着けてみるとフレキシブルな形状を保てる金属なので、装着した時に頭にかかる側圧がとても少なく、長時間でも負担を感じることなく身に着けていられる点も特徴だ。さらにユーザーに開放されていないが、イヤーカップが交換もできる構造になっているので、故障や部品の劣化が起きた際のメンテナンス性も高いのだという。

「秋のヘッドフォン祭2015」で製品発表会が行われた。フレキシブルなヘッドバンドを説明しているのは、国内代理店エミライの島氏

 高純度無酸素銅DUMを使ったケーブルは本体着脱式。ヘッドホン側は両側出しで4ピン形状の端子。ロック機構は付いていない。標準で6.3ミリ端子のケーブルが付属するが、オプションとしてバランス接続対応の4ピン・シングルエンドプラグのリケーブルなど、端子や長さが異なる仕様のケーブルが発売される予定だ。

4ピンのコネクターを採用

ケーブルを接続したところ

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