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世界初のフルデジタル伝送&ワイヤレスヘッドフォン! オーテクから「ATH-DSR9BT」「ATH-DSR7BT」登場aptX HDに対応

» 2016年10月13日 19時58分 公開
[ITmedia]

 オーディオテクニカは10月13日、2016年秋の新製品発表会を開催し、VM型カートリッジやヘッドフォン、イヤフォンなど多数の新製品を披露した。中でも注目は、フルデジタル駆動のワイヤレスヘッドフォン「ATH-DSR9BT」および「ATH-DSR7BT」だろう。

発表会の様子
「ATH-DSR9BT」(左)と「ATH-DSR7BT」(右)。「ATH-DSR9BT」のハウジングやスライダー部分はアルミニウム製。ハウジングのステータスランプはBluetoothのコーデックによって色や数が変わる

 Trigence Semiconductorの「Dnote」技術を採用。2014年に話題となった「ATH-DN1000USB」にBluetoothを追加してワイヤレス化し、広帯域伝送が可能なaptX HDコーデックを加えたような製品だ。

 Dnote技術は、入力されたデジタル音声信号を専用チップで再変調し、ドライバーユニットのマルチボイスコイルに伝えて振動を発生、音を鳴らす仕組み。デジタル信号をアナログ変換することなく、L/Rの信号をそれぞれ独立させた状態で専用ドライバーに入力できるのがメリットで、「アナログ信号はどうしても伝送中に減衰や歪みの影響を受けて劣化するが、デジタルならそれがない。耳元のそばまでデジタル伝送し、かつダイレクトな変換で微細な1音1音まで正確に描写する」(同社)と話している。オーディオテクニカでは、この技術を「Pure Digital Drive」という名称で訴求する。

Pure Digital Driveの概要
耳元までデジタルで届くのがメリット

 上位モデルのATH-DSR9BTには、専用に開発された「45mmトゥルー・モーションD/Aドライバー」は、4芯撚り線構造の7N-OFCショートボイスコイルの採用により、デジタル信号の豊富な情報量を振動板に正確に伝達するという。さらに振動板の剛性を高めるDLC(Diamond Like Carbon)コーティングを施し、高域特性を向上。一方のATH-DSR7BTもドライバーのサイズや名称は同じだが、ボイスコイルや振動板のコーティングといった仕様は異なる。またデジタル信号をボイスコイルへ入力する線数もATH-DSR9BTの4本に対してATH-DSR7BTは1本だ。

 一方のapt X HDは、クアルコムが開発したBluetooth(A2DP)用の音声コーデック。SBCの2倍近い578kbpsの伝送速度により、最大48kHz/24bitの音声信号をワイヤレスで楽しめる。ただし、国内ではまだapt X HD対応のプレーヤー機器は存在しない。「今後、普及が見込まれるaptX HDをいちはやく採用した」(同社)。このほかAACもサポートしている。

aptX HDをいち早く採用

 両モデルとも信号の伝送経路でD/A変換やA/D変換を行うことを避けるため、入力はBluetooth(aptX HDで48kHz/24bit)およびmicro USB(Type B)端子(44.1kHz〜96kHz/24bit)のみ。内蔵のリチウムポリマー充電池で約15時間の音楽再生が可能だ。

 いずれも11月25日発売で価格はオープンプライス。実売想定価格は、ATH-DSR9BTが6万円前後、ATH-DSR7BTは3万3000円前後(税別)になる見込みだ。

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