安否連絡から情報収集まで――災害時に役立つアプリ(Android編):災害時のケータイ活用を考える(5)(3/3 ページ)
東日本大震災では、情報収集や安否確認、地震速報通知などでスマートフォンのアプリが活躍した。発信規制で電話が使えないときでも、インターネットを介してさまざまな情報をやり取りできた。そこで、これら災害時に役立つアプリを紹介しよう。今回は23本のAndroid向けアプリを取り上げる。
詳しい気象情報を確認する
毎日の生活で必要なのはもちろんだが、豪雨や台風の災害対策としても天気予報アプリは必須。シンプルなものから多機能なものまで、多種多様な天気予報アプリが提供されている。また、原子力発電所の事故により、各地の放射線量をチェックできるアプリも多数登場している。
ウェザーニュースタッチ(Weathernews Inc./無料※一部有料)
全国の今日・明日の天気予報のほか、ピンポイント天気予報やお天気キャスターによる動画番組、衛星写真や雨雲レーダー、全国のウェザーリポーターから寄せられるウェザーリポートなど多彩なメニューを用意。有料の会員登録で、津波アラーム、地震アラーム、雨雲アラーム、落雷アラーム、注意報警報アラームをメールでいち早く届ける「Smart Message 設定」を利用できる。
放射線チェッカー(株式会社YICHA/無料)
文部科学省で公開している「全国の放射線モニタリングデータ」を元に、各都道府県別の放射線量を表示するアプリ。環境、水道、降下物について最新の放射線量を確認でき、詳細画面では自然被ばく量や飛行機で旅行した場合の被ばく量などと比較できる。
SafeAreaChecker(Cactus Apps./無料)
現在地と福島原発までの距離、避難範囲区域、風向き、放射線量を地図上で確認できるほか、各地の放射線情報をリストで表示し、平常値の範囲内かどうかを色で見分けられる。地図上の各種情報は表示/非表示を設定可能。
万が一の事故やケガ、停電にも慌てず対処
万が一のときに役立つ応急手当の知識や、停電のときに使えるライトなど、災害時に役立つスマートフォンアプリは今でも続々と登場している。インストールしておき、いざというときにすぐ使えるようにしておきたい。
救命・応急手当の基礎知識(C2 inc./無料)
「家庭医学大全科」から「救命・応急手当ての基礎知識」を抜粋して無料で配信。症状別の応急手当、けが・事故の応急手当、心肺蘇生法、止血法などを確認でき、病気やけがに対する基礎知識を蓄えられる。
総合医療検索(QLife Inc./無料)
医師からの処方薬と薬局で買える市販薬、約1万7000種を掲載。疾患名、効能効果、製薬会社名のほか、薬剤色やパッケージ色、錠剤に刻印されている記号などから検索できる。Google音声検索にも対応しており、薬の効果や副作用、保管方法などが写真とともに確認できる。
Tiny Flashlight + LED(Nikolay Ananiev/無料)
ディスプレイのバックライトや多彩なイルミネーションをライトとして活用できるほか、カメラの補助ライトが搭載されているモデルでは、それを懐中電灯として使える。ウィジェットを配置すると、カメラの補助ライトをワンタッチで点灯できる。
電力の使用状況ウィジェット(AIRFRONT,Inc./無料)
東京電力の電力使用状況がひとめで分かるウィジェット。ウィジェットをタップすると、電力使用傾向がグラフで確認でき、電力使用量に影響の大きい東京の天気と気温も表示する。また、東京電力の最新ツイートや、現在の気象と電力状況に応じた節電Tipsなどをテロップで表示する。
今夏の計画停電は原則として実施されない模様だが、電気の使用状況が分かるアプリを活用すると、節電の意識も高まるだろう。東日本大震災後、状況は常に変わりつつあるが、それに素早く対応してさまざまなアプリが登場している。新しいアプリを試しながら、万が一の災害に備えておきたい。
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