携帯キャリアにとって、通信障害は極力避けなければならない問題。ただ、自然現象によって半ば“不可避的”に起こってしまう通信障害もあるようだ。
NTTドコモ九州は4月19日18時頃から、宮古八重山周辺で通信障害で音声通話およびパケット通信が行えない状況が発生したと発表した。影響があったと想定されるユーザー数は、約2万2000契約。原因は「電波が異常伝搬しているため」。例年、春と秋にかけてまれに発生するという。
「気候と関係があるようだが、詳しいことは分からない。春と秋で一定条件が揃うと、国内の電波をじゃまする外来波が到来するようになり、通常なら問題なく使える音声通話などが不可能になる」(ドコモ九州広報)
電波が来る方向は「おおむね南西の海洋から」(同広報)としか分かっていない。海外で使用される電波が届いている可能性があるようだ。
この現象の継続期間は、地域を限定すれば1日から2日。ただし、場所によっては3日以上続くところもあるという。23日の午前9時の段階では復旧しているが、また再現する可能性もある。
なお、この電波干渉の影響を受けるのは、800MHz帯を使用するムーバ方式のPDC端末に限られる。2GHz帯を使用するFOMAは影響を受けない。
同じく800MHz帯を利用してCDMAサービスを行うauでも、「そうした干渉問題はある」と話す。
auでは、電波干渉が発生するとその通信チャンネルを閉じるという措置を取る。「800MHz帯といってもいろいろ幅があるので、干渉のあるチャンネルだけを閉じる。一時的な現象なので、そのうちに復旧できる」(au広報)。
こちらは、上記の対応である程度問題を緩和できるため、ユーザーに通知を行うほどではないとのこと。au広報はまた、この現象は九州で多く発生するが、九州に限定される話でもないとも付け加えた。
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