企業向け、モバイル対応Intellisyncのβ版公開

» 2004年09月28日 18時52分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 インテリシンク(旧プーマテック)は9月28日、企業内のデータへのアクセスと同期を実現するモバイル向け統合プラットフォーム、「Intellisync Mobile Suite」のβ版を公開した。正式版は10月下旬に発表する予定。

 「エンタープライズ用途に向け、すべてのデータをモバイルで使えるようにする。ノートPCやデスクトップでしかできなかった業務が、携帯上でできるようになる」と、同社副社長の井出龍彦氏は説明する。

 Intellisync Mobile Suiteは、企業の基幹業務での利用を前提に開発されたサーバソフト。モバイルデバイスと企業内サーバとの間で、メール/PIMデータの同期、データベースとの同期、非定型ファイルの同期が行え、セキュリティを確保するためのシステム管理機能も備える。

 企業内のExchangeやNotesなどのグループウェアのデータを、インターネットを介してノートPC、PDA、携帯電話から同期/閲覧できる。またノートPCやPDAでは、各種ファイルの同期が可能。ファイルの同期はバイナリレベルで差分をやりとりするため、大容量のファイルでも変更点だけの転送で済む。また、Webページを登録すれば、HTMLファイルとして差分を同期できる。

PDAでは専用クライアントソフトを利用。携帯は3キャリアに対応し、Webブラウザでデータを閲覧できるようになる

セキュリティに配慮したシステム管理が特徴

 従来製品との最も大きな違いは、充実した管理ツールの存在だ。プロファイルとして複数のセキュリティ設定を用意しておき、それをユーザーやデバイスごとに割り当てることができる。

 個人情報保護法の施行が迫る中、情報漏洩に対処するための機能も豊富だ。専用クライアントソフトを使うノートPCやPDAでは、「1回でも認証に失敗したらロック」「データを消去」「デバイスをリセット」といった処理が、サーバの管理ツールから可能。常時接続環境ならば、サーバ側からコマンドを送信して、強制的に処理を行うこともできる。

モバイルデバイスを紛失したときには、管理ツールから、アクセスのロックや、デバイスのデータ消去などを行える

まずはSFAから

 井出氏は、Intellisync Mobile Suiteの利用用途として、まずはSFA(営業支援システム)へのアクセスニーズが高いと見ている。「簡単にできそうだが、意外に使われていない。従来のソリューションでは、システム面が作り込まれていなかった」。

 海外では、PDAや携帯が企業内システムへのアクセスデバイスとして利用されつつあり、「Symbianベースの携帯、Pocket PC、BlackBerryなどを利用するシステムへの需要が非常に高い」(井出氏)。国内では、PDAに比べて機能が限定される携帯電話がモバイルデバイスの主流となったため、これまで利用がなかなか進んでこなかった。

 井出氏は、国内ではIntellisync Mobile Suite利用の7〜8割が携帯電話によるものになると見ており、「エンタープライズ用途でのモバイルデバイス活用の需要が、かつてないほど高まっている」と期待を話した。

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