災害用伝言板に“キャリアの壁”

» 2004年10月25日 13時16分 公開
[ITmedia]

 10月23日夕に起きた新潟県中越地震の安否情報確認に、NTTドコモのiモード向け災害用伝言板が活躍している(関連記事参照)。しかし情報登録はiモードユーザーに限られ、非常時ですら“キャリアの壁”を意識せざるを得ないのが現状。KDDI、ボーダフォンも伝言板の設置を検討中だが、どのキャリアの端末からでも自由に利用できる仕組み作りが求められそうだ。

 ドコモの伝言板は今年1月から提供を始めた。iモード対応携帯電話から安否情報やメッセージの登録が可能で、震度6弱以上の地震などが発生した際、「iMenu」のトップに表示して利用を促す。災害時には通話が集中してつながりにくくなることから、集中時でも比較的つながりやすいパケット通信を安否確認に役立ててもらい、トラフィック分散を図るのがねらいだ(関連記事参照)

 ドコモは今回、地震発生直後の23日午後6時4分に伝言板の運用を開始。25日午前10時時点で、登録数は5万9208件にのぼっている。

 だが、安否情報の閲覧だけなら他キャリアの携帯やPHS、PCからでも可能だが、情報の登録はiモード携帯からしかできない。他キャリア端末から閲覧するとしても、伝言板のURLを入力する必要があり、知らなければ使えない。

 一方で、NTT東日本が設けた災害用伝言ダイヤル「171」は、加入電話を使えば誰でも利用可能。仕組みの違いがあるとはいえ、「災害時に『キャリアが違うから』などと言われても困る」と不便を指摘する声もある。

 理想は、全キャリアの端末から簡単かつ自由に登録・閲覧できる統一システムだ。ただドコモは、他キャリアの対応について現時点では「コメントできない」との立場。KDDIは「災害伝言板サービスは検討中。キャリアごとにバラバラで作るのがいいことなのかどうかを含め、検討している」とし、ボーダフォンも「準備を進めている。ボーダフォン単独サービスになるか、他キャリアと共用できるものにするかについてはコメントできない」と話している。

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