携帯電話向けの迷惑メール対策に、新しい試みが始まる。
「ぷらら」は12月7日、オープンウェーブ「Rate base spam control」を使い、業界で初めて携帯電話向け迷惑メールの送信規制を行うことを発表した。2005年1月からボーダフォンのユーザー向けに送られる迷惑メールの送信を規制する。
これまでの迷惑メール対策は、ドコモなど受信側のメールサーバや携帯電話端末自身で行われてきた。いわば、迷惑メールの“出口”で防御していたかっこうだ。
一方で、根本的な解決のためには、迷惑メールを送信する“入口”で対応すべきだという意見もある(2003年4月18日の記事参照)。ぷららによると、受信側でのブロックは迷惑メールとは無関係の利用者に影響が大きく、メールの“遅延”などの2次被害が発生する原因ともなっている。送信側のISPのほうで、迷惑メール規制を行うことで、根本を断ち切るというわけだ。
ぷららが導入した「Rate base spam control」は、大量メール送信を検知してその送信者を特定し、以後の送信を規制する。
また、ぷららのメールサーバを経由して送信される場合だけでなく、メールサーバは独自に設置し、ぷららのネットワークを経由して送信される迷惑メールにも対応するため「Outbound Port 25 Blocking」(記事参照)と呼ばれる手法も使う。これはISPネットワークとインターネットとの接点(ゲートウェイ)で、ISP側からインターネットに向かうメール送信(SMTPパケット)を遮断する規制方法だ。
これによって、迷惑メールの1%がネットワークを通過する段階で定義され、残りの99%を破棄することで、ぷららネットワーク内での送信規制が可能になるとぷららは見込んでいる。
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