日本で火がついたカメラ付き端末の世界的な成功に続き、モバイル業界の次のトレンドは音楽になった。2月17日まで仏カンヌで開催された「3GSM World Congress 2005」の展示会場で、端末ベンダー各社に自慢の“音楽ケータイ”を見せてもらった。
日本ではあまり知られていない英SENDOは、3GSM Worldの初日に「SENDO X2」を発表した。“music first, mobile first”と銘打ち音楽機能と通話機能を同等に重視、いわば“携帯する音楽・電話端末”した一品だ。
スケジュール帳などのアプリケーションを動かしていても、音楽再生プレーヤーを起動できる。MP3、AAC、AAC+のフォーマットをサポート、外部メモリはminiSDカードで最大1Gバイトに対応。Symbian OSを採用したGSM端末で、初夏に欧州市場の店頭に並ぶ。
3月には初の“ウォークマン携帯”を披露する予定の英Sony Ericssonも(2月15日の記事参照)、本イベントの初日に音楽用途を意識した3G端末「Z800i」を発表している。MP3/AAC/M4Aをサポート。アプリ利用中に音楽を聴くこともできる。カバーを閉じた時は、側面にあるボタンで、再生・停止、スキップなどの基本的な操作を実行できる。外部メモリはメモリースティックPROで最大1Gバイトをサポート。
ソニーを親会社に持つ同社の強みは、PCとの連携だろう。今回、モバイル音楽市場の立ち上がりを予想して「Disc2Phone」というアプリケーションを作成した。ユーザーは、PCに格納した音楽ファイルを容易に携帯電話に転送できるようになる。「Disc2Phone」では、PC内にあるすべての音楽ファイルを表示、ユーザーは楽曲を選択し、圧縮率も32kbpsまで選択できる。
PCにある音楽ファイルをそのまま携帯電話に転送すると、かなりのメモリを消費してしまう。音質が劣化してもたくさんの楽曲を持ち歩きたいというユーザーのニーズに答える。転送には、メモリースティックかUSBを使う。
台湾のBenQは、展示ブースでヘッドフォンを装着して音楽視聴を体験できるようにしていた。本会場で探した音楽ケータイは欧米ベンダーものが目立ったなか、数少ないアジア企業だった。
同社の一押しは、1月初めのCESでお披露目となった「Z2」。66×66ミリの正方形というユニークなデザインで、カラフルなカバーは取替えが可能。MP3プレーヤーを内蔵している。miniSDカードにより最大60Mバイトをサポートする。春に出荷する台湾を皮切りに、初夏には欧州の店頭に並ぶ予定。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.