総務省が5月15日に「利用者視点を踏まえたモバイル市場の検証に関する専門委員会」の第7回を開催。議題の1つとなっていた短期解約問題の方向性が示された。
MNPでの特典目当てで携帯電話サービスを短期解約し、さまざまなキャリアの乗り換えを繰り返す「ホッピング行為」が問題となっている。現在の電気通信事業法第27条の3では、通信の継続利用を条件とした利益提供が禁止されているため、ユーザーはキャリアを乗り換えるだけで還元を受けられる。そこに歯止めをかけたいというのがキャリアの思惑だ。
短期解約の対策はキャリアの自助努力だけでは限界があるため、4月20日の第6回会合で以下の3案が挙がった
第7回会合では、総務省が上記3案について論点整理を行った。
案1については、MVNO側からは過度な囲い込みを防ぐために、継続利用期間は6カ月を超えるべきではないという意見が挙がった。一方、6カ月程度では、低廉なプランを契約すれば解約後もポイント還元の利益が残り、MVNOが踏み台にされるという意見も出た。またMVNOからは、通信サービスの利用に連動し、特典を数カ月に分けて提供する設計のみを認めるべきとの意見も出た。
これらを踏まえ、総務省は乗り換えから一定期間経過後に特典を付与することは禁止した上で、分割での利益提供に限り、最長1年間実施可能にする見通しが考えられるとの見解を示した。例えばMNPで2万ポイントを還元する場合、これを12回(×1600ポイント程度)に分けて提供する形になる。
事実上の1年縛りともいえそうだが、途中で解約したからといって解約金があるわけではない(利用実態のない回線などの例外を除く)ので、拘束力は事業法改正前よりは強くない。それでもポイントが満額付与されなくなるので、継続利用を促す効果が期待できそうだ。
案3については、利益提供額を引き下げたことで、MVNOが踏み台にされるリスクは減らせるものの、こうした価格付けは本来、事業者の取り組みの中で適正化が行われるべきとの考えを示す。また、短期解約者であっても、特典目当てではないユーザーも存在することから、むやみに競争を制限するのではなく、事業者の経営判断として自ら責任を取るべきであり、規制で特典付与額を制限することは慎重に考えるべきだともした。
そこで総務省は、まずは競争を制限する要素の少ない案1のみを採用し、一定期間継続を促す形で特典を付与する選択肢を設けることが望ましいのでは、との考えを明らかにした。その上で、MVNOや販売代理店の短期解約による被害が収まらない場合に、案2や案3を検討すべきでは、と締めくくっている。
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