「W-CDMAが普及するとみんなハッピーになる……はウソ」短期集中連載・夏野さんに聞いてみよう(最終回)(2/2 ページ)

» 2005年10月12日 14時58分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 「位置情報とiチャネルを組み合わせるつもりは、さらさらない。だいたい、今いる場所の情報をほしいと思うだろうか? 例えば(講演会場は御茶ノ水だったが)御茶ノ水の情報をほしいと思うだろうか?」

 これもまた、技術として可能だから思いついたサービスにすぎないとの見方だ。

 夏野氏は、移動体事業を展開する上で今後カギになると言われるFMC(Fixed Mobile Convergence)の考え方にすら、やや懐疑的な立場をとる。「(業界関係者が使う)ワードとしては有名だが、それが生活にどう関わるかというところまでは、議論が達していない」。FMCだFMCだと繰り返すのでなく、“それで何がいいの”という部分を、説得力をもって語れるようにする必要があるという。新規事業者の標榜するデータ通信サービスも同様で、例えばPCと連携できるとしても「PC連携って何?」とそのあいまいさを指摘する。

 一方で夏野氏が激賞するのが、iモードFeliCaを使った各種サービスだ。夏野氏は「私は立ち食いそば屋でおサイフケータイがいかに優れているかを話し出すと、止まらなくなる」と、嬉々としてFeliCaの利点をアピールする。

 「具を追加で頼もうとすると、おばちゃんが濡れた手でお釣りをわたしてくるので汚い。うわあ、びちゃびちゃだあ、となる。これがおサイフケータイならスムーズだ。問題は一食の単価が上がることで、290円ぐらいで食べようと思っていたところが、530円ぐらいになってしまう」

 こうした“技術中心でなく生活内での利便性中心”の思想を1つの言葉に凝縮したものが、現在ドコモが掲げている「生活インフラとしての携帯」というスローガンになる(2004年6月21日の記事参照)。iモードFeliCaを事業の中核に据えて、リアルの世界との連携を高めようとの考えだ。夏野氏は、おサイフケータイは分かりやすいと改めて主張し、ドコモはサービスがどういうメリットがあるのか、ユーザーの目に見えるかたちで提示できると話す。

 「ドコモはIT業界の事業者として、通信事業者として、どうというのではない。(リアルの生活に絡むことで)それ以上の存在に我々はなりたい」

(短期集中連載・終わり)

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月07日 更新
  1. スマホ大型化の裏で高まる「小型音楽プレーヤー」待望論 現役ウォークマンか、“ポストiPod”のiPhone SEか (2026年04月05日)
  2. Suica、JRE POINTのキャンペーンまとめ【4月5日最新版】 チャージで最大2万ポイント還元のチャンス (2026年04月05日)
  3. GoogleがPixelの「日本限定モデル」を予告 4月7日に発表か (2026年04月06日)
  4. 「iPhone SE(第3世代)」が10カ月連続で1位 にこスマの3月中古スマホランキング (2026年04月06日)
  5. スマホもノートPCも100W給電「UGREEN USB Type-C ケーブル」が43%オフの743円に (2026年04月06日)
  6. JALモバイルに対抗してANAモバイルがついに登場――MVNEたちはJAL、ANAに続く「経済圏」を見つけ出せるか (2026年04月05日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【4月4日最新版】 ポイント10倍多数、1万ポイント還元も (2026年04月04日)
  9. 「Google Pixel 10a」発表 ディスプレイを強化、アウトカメラがフラットに 4色を実機でチェック (2026年02月19日)
  10. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【4月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のチャンスあり (2026年04月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年