インタビュー
» 2005年12月01日 16時18分 公開

「光が加わって完成するデザイン」──P902iの光の秘密 (1/2)

カスタムジャケットと光のイルミネーションの組み合わせで、さまざまな表情を見せるP902i。前モデルから、さらに進化した光×ジャケットのデザインの意図や、光の工夫を開発担当者に聞いた。

[房野麻子,ITmedia]

 「P902iのデザインコンセプトは『マテリアル』だ」

 そう語るのは、パナソニックデザイン社の石田顕之氏。素材の質感や、手で触ったときの感触を重視し、ボディやカスタムジャケットをデザインしてきたという。「ボディにはアルミとマグネシウム合金を採用した。カスタムジャケットを付けないノンジャケスタイルでは、シルバーはヘアライン、ホワイトはツルッとした質感、ブラックはざらっとした質感を表現する表面加工を施している。また、付属するジャケットは、ガラス、ラバー、ステンドグラスをイメージした」

パナソニックデザイン社の石田顕之氏

 P902iは、カスタムジャケットを採用したモデルとしては4台目となる。また、有機ELを使ったP901iSの7×7ドット、P701iDの『光ドロップス』など、最近のPシリーズは光もデザインのポイントだ。P902iでも光を踏襲し、さらに進化させた。

 「携帯電話を作るということは、もの作るということだけでなく、コミュニケーションそのものをデザインしていると解釈している。そして光という感性的な要素が、人のコミュニケーションにとって絶対に必要なものだと認識している。P902iの開発にあたり、コンセプトであるマテリアルというキーワードのもと、手で触れられるもの(リアルマテリアル)だけでなく、光もマテリアルとして考えた」(石田氏)

 コミュニケーションの重要なアイテムの1つとして光を取り入れ、カスタムジャケットと光を組み合わせることを決定。光を素材として扱い、その素材感を表現するため、すべてのカスタムジャケットに合わせた光のデザインを用意したという。

パネル全体が輝く光の工夫

 光の表情は多彩で、カスタムジャケット全体が光るもの、端末の輪郭をなぞるように端の部分だけ光るもの、ドットが動くように見えるものなど、ジャケットと光の組み合わせで端末の印象がガラリと変わる。この光のデザインを実現するために、光らせ方に意外な工夫が施されていた。

 「製品ではパネル全体が光っているように見えるが、もちろん、そんなに簡単に全体が光るわけはなく、機構設計部といろんなトライをした。LEDはカメラの下に2つ入っている。また、カスタムジャケットのはめ込み方をそれまでとは変えて、LEDの上に被さるようにした」(石田氏)

 通常のLEDはボディの表面に出ていないと光が見えないものだが、P902iの場合はカスタムジャケットがLEDの上に載っている。それでも光がパネル全体に回るのはなぜか。

 「実はカスタムジャケットの断面が研磨されていて、LEDとジャケットがぴったりくっつくことによって、光が水平方向に飛ぶようになっている」(石田氏)

LEDはカメラレンズの下に装備。カスタムジャケットを付けると、ジャケットの断面がLEDを包み込むような状態になる。断面は研磨されていて、LEDとぴったりとくっつくことで、ジャケット自体が導光板のような役目を果たし、光が全体に及ぶのだという
ブラックは、ラバーのような質感に線のようなシャープな光を組み合わせ、花柄のブーケグラスは、ステンドグラスのような多階層な光の見え方を表現した。ホワイトはガラスのような透明感を目指したという

照明デザイナー武石氏とコラボレーション

 P902iでは、光のデザインの部分で照明デザイナーの武石正宣氏とコラボレートしたことも注目を集めた。

 「ジャケットの形状やLEDの構造から、さまざまな光を考えた。頭の中にイメージはあったが、自分たちだけでは複雑な光を美しくデザインすることはできない。そこで光の専門家である武石正宣氏にお願いした」(石田氏)

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