機能によって光のパターンやリズムを決め、色はジャケットごとにチューニングされている。すべてのジャケットに対して用意するため膨大な数になるのを、武石氏は快く応じてくれたという |
武石氏はホテルや空港など、国内外の有名施設の照明デザインを手掛けるライティングプロデューサー。東京湾アクアラインにある「海ほたる」の照明を手掛けたのも武石氏だ。
「カスタムジャケットはサードパーティから色々なものが出ているので、我々もP902iのためのデザインを本気でしなくてはならない。そして、それがある種のカウンターにならなくては意味がない。このことは武石さんともいろいろと話した」(石田氏)
カスタムジャケットと合わせて待受画像などの中身もトータルカスタマイズできるが、P902iは光のトータルコーディネートも可能になっている。
「武石さんには、今回用意したすべてのジャケットに対して、それぞれが美しく見えるような光の色やパターンを用意してもらった。また、メール用、着信用の光のリズムも定義してもらっている」(石田氏)
ジャケットそのものに対してもこだわりがあると語るのは、商品企画グループの佐藤恭子氏だ。
「端末に付属する3つのジャケットは、それぞれ厚みが異なっている。ホワイトに関しては、これまでのものと同じタイプなのだが、ガラスらしさを表現するため、厚みを出した。底面に白を印刷し、さらに透明部分でガラスらしさを出すために、アクリルにグリーンの色が練り込まれている」(佐藤氏)
ブラックはパネル2枚を張り合わせているため、3タイプの中では一番厚みがある。張り合わせることによって、下のパネルの透明部分から全体に光りが回り、エッジのように見えるのだという。裏面がミラーになっているのも、光りを跳ね返して全体を光らせるためだ。ブーケグラスはシルクスクリーンと同様の方法で柄が印刷されているが、ステンドグラスのように奥行き感を見せるため、合計で9版も色を重ねているという。
P902iのデザインは、光とジャケットが組み合わされてこそ引き立つもの。夜に見ると光の美しさがはっきり分かると石田氏は力説。
「昼間、明るいところでは大人しく見えるが、夜になると途端に目立つ。昼間、光っていない端末を見た人に、『ちょっと引き気味のデザインじゃないですか?』と言われたが、P902iは光が入って完成するデザイン。未だかつてないくらいアグレッシブなデザインだ」(石田氏)
ただ、スマートでおとなしめめなイメージを持つのも実は間違ってはいない。昼間の顔と夜の顔という二面性を意識したと石田氏はいう。
「ただ、悩みとしては、店頭では光がよくわからないというのが残念なんです……」(佐藤氏)
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