携帯電話の普及に伴い、固定電話の必要性は薄れてきているといわれる。しかし、PCをインターネットに接続するには、ADSLを利用するのが最もコストパフォーマンスが高い。しかも、ADSLを導入すれば、IP電話サービスを利用し、電話代を安く抑える事も可能だ。このため、結局自宅に電話回線を引く人は多い。
進入学に合わせて新たに一人暮らしを始める人や、春から社会人になり引っ越す人などは、この回線につなぐ電話をどうするか、悩んでいる人もいるのではないだろうか。
この場合の選択肢としては、留守録付きの電話、FAX電話、あるいはFAX複合機が挙げられる。ただ、携帯電話があるのに通話にしか利用できない留守録付き電話をつなぐのはもったいない。FAXも、多くの用件がメールで済んでしまうため、個人では使う機会があまりない。そこで注目したいのが携帯電話と連携できるFAX複合機「見楽る UX-MF30CL」だ。
FAX複合機(インクジェット方式)の市場は、ここ2年ほどで広がりを見せている。インクジェットプリンタの多機能化と歩調を合わせるように、コンパクトなボディにさまざまな機能を統合しているのだ。中でもシャープの「見楽る」は、携帯電話との連携機能を持つ点が魅力だ。
FAX複合機に限った話ではなく、多機能な電話機を購入してまずしなくてはならない作業の1つは、アドレス帳の入力だ。親兄弟や親類、友達、会社関係の知人などを、1つ1つ入力していくのはなかなか骨が折れる作業。しかし「見楽る」なら、メモリカードを使って携帯のアドレス帳データを最大200件までコピーできる。
「見楽る」でminiSDやメモリースティックDuoを直接読み書きすることはできないものの、アダプタを介してSDメモリカードスロットやメモリースティックスロットにカードを装着することで、データの入出力が可能だ。
「見楽る」本体に登録するデータは、前面の4.3型ASV液晶上で個別に確認し、必要なものだけを登録する仕組みだ。携帯のアドレス帳に登録してあるデータが200件以下なら、バックアップを兼ねて、全データを登録しておくのもいいだろう。ただ、電話番号やメールアドレスが複数登録してあっても、認識するのは1番目の情報だけなので、2つ目以降のデータも登録したい場合は別途手動で登録する必要がある。登録したアドレス帳データは通話用の子機にもそのままコピーできる。
また「見楽る」には、スキャナで取り込んだデータを直接メモリカードに保存する「スキャン to メモリーカード」機能も用意されている。この機能を使えば、お気に入りの紙焼き写真やポストカード、手書きの絵やイラストなどを、カメラで写すよりきれいに取り込める。
携帯の待受画面にしたい画像を取り込む場合は、メニューから「待受画像保存」を選ぶだけでよく、細かな設定を気にする必要がないのもポイントだ。原稿サイズを「L判」に設定してスキャンすれば、原稿台のL判相当の範囲を、240×320ピクセル、10〜20Kバイト程度の画像として保存する。「A4」に設定すれば、A4の範囲をスキャンし、1203×830ピクセル、200Kバイト前後のデータをメモリカードに記録する。
スキャン to メモリーカード機能では、スキャナで取り込んだデータをPDFファイルとしてメモリカードに保存することも可能だ。NTTドコモの「SH902i」などのように、「PDF対応ビューア」を搭載した携帯があれば、メモリカード内のPDFファイルが閲覧できるので、ちょっとしたメモ代わりに活用できる。例えば雑誌の記事の一部をスクラップ代わりにPDF化しておいたり、仕事に使う資料をPDFファイルにしておき、移動中に携帯で読むことが可能だ。
昨今は電車の中でPCを取り出して作業している人も見かけるが、ちょっとデータを見たいだけなのにPCを出すのは面倒だし、隣の人にのぞき見られたりしやすい。携帯なら、座席に座っていなくても、見たいときにさっと取り出して見られるというメリットがある。
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提供:シャープ株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月31日