NEC製の「N904i」は、一見するとオーソドックスな折りたたみ携帯だが、さまざまな特徴を持つハイエンドなFOMA端末だ。
そのデザインは、世界的に著名なプロダクトデザイナーであるステファノ・ジョバンノーニ氏とNTTドコモ、NECの3者コラボで生まれたものだ。従来のデザイナーズ携帯は企画端末の一つとしてラインアップしていたが、今回はN904iというレギュラーモデルでデザイン性を強く打ち出している。その理由をドコモでは、「差別化のためにデザインに力を入れることは当たり前になってきた。これまでも“N端末”はいくつかのデザインコラボモデルを成功させており、今回のレギュラーモデル(N904i)はあえてデザイナーズコラボという手法をとった」(説明員)と話している。
また、下り最大3.6Mbpsでの高速通信が可能なHSDPAに対応してるのも大きなポイントだ。従来のHSDPA対応端末は企画端末として登場し、HSDPAは特別な存在というポジションだった。しかし今後は、標準的な通信方式として採用されることになる。今回の904iシリーズではN904iのみがHSDPA対応だが、この点については、「NECは国内初のHSDPA対応端末『N902iX HIGH-SPEED』を開発しており、ほかのメーカーに比べてHSDPAについてのアドバンテージがある。そのため、一足お先に“標準化”させることができた」(説明員)という。
N904iのスペックは、このHSDPA対応を軸に肉付けされており、シリーズ最高解像度の3インチの480×854ピクセル表示(ワイドVGA)ディスプレイもその一つ。高速なネット接続が可能になると、PC向けWebサイトへのアクセスも増えることから、PC環境に匹敵する解像度のディスプレイが求められたという。フルブラウザも、従来のアクセス製「NetFront Browser」に加え、より自由に拡大・縮小ができ、画面上のソフトキーボードから文字入力が可能なPicsel Technologies製のブラウザを搭載。
NTTドコモのHSDPA端末で利用できる「ミュージックチャネル」のほか、「うた・ホーダイ」やWindows Media Audio形式の再生にも対応し、コンテンツをダウンロードするシーンも増えることから、ヤマハが開発したサウンドチップ「Audio Engine」を搭載。圧縮音源をチューニングし、オーディオ専用プレーヤーに負けない高音質サウンドを実現したという。
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