ディー・エヌ・エー(DeNA)が4月25日に発表した2007年3月期の連結決算は、営業利益が前期比2.39倍の45億600万円だった。急成長した携帯ゲーム&SNS「モバゲータウン」を中心に、携帯事業が大きく伸びた。
売上高は2.2倍の141億8100万円。うち63%を携帯事業が占めている。経常利益は同2.45倍の46億2100億円、純利益は同71%増の25億3900万円。
モバゲータウンの登録ユーザー数は3月末時点で441万人。2月に始めたテレビCMが奏功し、2月の純増数は1月の39万の倍近い74万、3月も68万と大きく伸ばした。
「10代には口コミで広がるが、20代以上はマス広告が有効」と同社の南場智子社長が語る通り、課題だった20代以上のユーザー獲得も好調。昨年11月7日時点(ユーザー数200万人)には20代以上は31%だったが、今年3月10日時点(ユーザー数400万人)には20代以上が44%を占めるまでになった。
3月の月間ページビュー(PV)は93億7500万。3月の1日あたりのPVは3億200万と、「mixiモバイル」「ヤフーモバイル」を大きく上回る。収益面では、アバター販売とバナー・メルマガ広告が急成長しており、ナショナルクライアントからの広告出稿の引き合いも強いという。
「モバゲータウンは、携帯サイトで最大の集客力があると言えるほどの人気サイトに成長した。今期もモバゲーの媒体価値を拡大するのが戦略の中心となる」と南場社長は語り、モバゲーの集客力をベースに事業展開を進める姿勢を改めて示した。
携帯サイト向けアフィリエイトネットワーク「ポケットアフィリエイト」や、携帯オークション「モバオク」「ポケットビッダーズ」も順調。南場社長は「当初PC向けだったビッダーズだが、携帯に強いというイメージが定着した」と語る。ポケットビッダーズはモバゲー内に出店するなど、モバゲーの集客力を生かした戦略も進めている。
今期は、モバゲーの総合ポータル化を加速して媒体力を高め、他サービスとのシナジーも追求していく。すでにニュース、天気予報などのコンテンツを追加しているほか、3月に始めた小説や詩などを投稿するコーナーには10万タイトル以上が投稿されているという。
今期の業績予想は、売上高が前期比66%増の235億円、経常利益が同51%増の70億円、純利益が同42%増の36億円。
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