ディー・エヌ・エー(DeNA)は4月15日、携帯電話向けゲーム&SNS「モバゲータウン」で、スクウェア・エニックスやハドソンなどゲーム会社が開発した本格的なゲームを、基本無料・アイテム課金制で提供すると発表した。モバゲーを「ゲームポータル」と位置付けてゲームファンを獲得しながら、新たな収益源に育てる狙いだ。
モバゲー内に専用ページを設置し、スクウェア・エニックス(スクエニ)、タイトー、ハドソン、ハムスター、ワークジャム、ORSOの6社が4月末から順次ゲームを配信する。
スクエニとタイトーは新作RPGを投入。ハドソンは、携帯・ニンテンドーDS向け対戦カードゲーム「エレメンタルモンスター」を、ハムスターはPC向けシミュレーションゲーム「ザ・コンビニ ネットバトル」をモバゲー向けにアレンジして配信する。
基本料金は無料にしてユーザーを集める戦略。収益は、ゲーム内で使えるアイテムの販売などで得て、DeNAとゲーム会社で分け合う形だ。ゲームポータル専用通貨「モバコイン」を新たに発行し、電子マネーやクレジットカードで購入できるようにする。従来の仮想通貨「モバゴールド」は広告をクリックすることなどで付与される仕組みになっており、購入することはできなかった。
モバゲーではこれまで、気軽に楽しめるカジュアルゲームを中心に提供し、ゲームをライトに楽しむユーザーを集めて会員を拡大してきた。これに加え、ゲーム会社が開発した本格的なゲームを配信することで「コアゲーマー」にもモバゲー利用を拡大し、「モバゲーの利用をもっと“濃い”ものにしていく」と同社の南場智子社長は狙いを語る。
ORSOを除く5社はこれまでに、独自に有料の携帯向けゲームを配信してきた。モバゲーで無料のゲーム配信を始めるのは「勝ち馬に乗ろうと考えたから」とスクエニの和田洋一社長は説明する。
和田社長によると、携帯サイトにゲームを提供する際の判断基準は「どれだけユーザーが集まっているか、使えるアプリケーションやビジネスモデルに柔軟性があるか」。「DeNAの企画力には敬服している。『こんなものがあるといいな』と思い付いても、すでにDeNAがやっていて、毎回やられた、もっていかれたと感じていた」という。「いろいろと考えるのは面倒くさいから勝ち馬に乗る」
携帯向けゲームサイトを運営しているワークジャムの山口孝社長も「田舎にショッピングセンターを作っても人は集まらない」と話し、会員1000万人以上のモバゲータウンの集客力に期待を込めた。
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