デモ機で検証する「WILLCOM D4」(後編)(1/2 ページ)

» 2008年04月21日 18時24分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 ウィルコムが“Atom搭載機で世界最速発売”を目指して投入するシャープ製の「WILLCOM D4」。本企画の後編では、ウィルコム端末としての使い勝手とノートPCとしての利便性を検証した。

Photo ウィルコムのシャープ製UMPC「WILLCOM D4」

ウィルコム端末としての使い勝手は

 ウィルコム端末としての機能は(1)内蔵のW-SIMを利用した、最大4xパケット通信(最大204Kbps)でのインターネット接続(2)ウィルコムEメール/ライトメールの自動受信と送信(3)付属のヘッドセット(有線)かBluetoothハンズフリー機器を使った音声通話をサポートする。Bluetoothへの対応と、本体だけでは通話できない点を除けば、ウィルコム端末としての機能はW-ZERO3シリーズとほぼ同様だが、音声通話に関する制限は多い。

Photo 音声発信時に利用する専用ソフト。指でのタッチパネル操作も考慮して大き目のボタンを採用しており、音量調整など一通りの音声端末としての操作もサポートしている(左)。こちらはWindows Vistaのガジェットになっているランチャーツール。W-SIMを利用したインターネット接続以外の機能をそれぞれ呼び出せるようだ(右)

 音声通話は端末に専用ハードウェアを搭載しているわけではなく、Windows Vista上からW-SIMにアクセスする形になるようだ。このため音声通話は着信も含め、W-SIMを登録したアカウントによるWindows Vistaへのログイン中のみ可能となっている。スリープ中や休止中の音声着信は着信履歴のみが残る仕様だ。この点はWindows Vistaのスリープ中に相当する節電動作中でも音声着信が可能なW-ZERO3シリーズに比べて厳しい制限といえる。またWebサイト(シャープのQ&A)で確認する限り、データ通信中の音声着信も圏外扱いとなり、できないことになっている。

Photo W-SIMの機能設定用に専用ソフトがインストールされている。通信中の着信オン/オフの設定があるため、この画面を見る限りではデータ通信中でも音声着信が可能なようにも見える。設定項目には、音声着信時にバックライトを点滅させるというものもあった

 もっともこれらの音声通話に関する制限は、意図的な部分もありそうだ。スリープ中や休止中でもメール受信は可能となっているので、音声着信も通知の受け付けはできるのだろう。しかし、その状態からWindows Vistaを再開しても、通話にはヘッドセットの接続が必須で、W-SIMを登録したユーザーアカウントでログインする必要がある。そのため、ユーザーの状態によっては、即座に通話できるとは限らない。D4単体で音声通話ができないことや、音声通話をWindows Vistaに依存するといったことから、音声の発着信機能は大きく制限せざるを得ないのだろう。

 メールはウィルコムEメールとライトメールの自動受信と送信をサポート。ウィルコムEメールはWindowsメールを利用し、ライトメールは専用ソフトを利用する。どちらもスリープ中、休止中の受信時にはWindows Vistaが自動で再開し、受信後に再びスリープ/休止状態に戻る。リアルタイム性が高いという点では便利だが、筆者のようにPC向けのメールをウィルコムEメールに転送するような使い方をしていると、意識的に起動しなくてもメール受信による頻繁な起動でバッテリーを消費することになりそうだ。

 発表会のデモ機では確認できなかったが、ウィルコムEメールに限れば受信通知のみを受信し、(Windows Vistaを再開せずに)インジケーターなどで通知するような機能があれば便利そうだ。これなら頻繁に起動してバッテリーをむだに消費することもないだろう。また、HDDを搭載するD4が、カバンの中などで知らない間に突然起動していたりする可能性があるのはちょっと怖い。この点はHDDを搭載しないW-ZERO3シリーズとは望まれる動作が異なると思う。

Photo ライトメールは専用ソフトが用意される(左)。ウィルコムEメールはWindows Vista標準のWindowsメールを利用するということで賛否両論がありそうだが、へたに独自ソフトのみの対応とするよりは良いだろう。ウィルコムEメールの場合、POP3/SMTPプロトコルでアクセスする方法も公開されているので、W-ZERO3シリーズのように他のメールソフトでの自動受信をサポートするフリーソフトが登場する可能性もある(通知自体はライトメールで行われる)。ステタースバーに常駐する「D4 Status Monitor」では、W-SIMの電波状態に加え、メールの未読数などもポップアップで確認できる(右)

 音声通話にも関連することなのでここで触れておくが、D4はW-ZERO3シリーズを含めてPDA型端末では初のBluetooth対応機となる。Ver.2.0+EDR仕様でサポートするプロファイルはSPP/OPP/FTP/HID/A2DP/AVRCP/HSP/HFP。ワンセグの音声は、Webサイトの情報によればSCMS-T対応機器であってもBluetooth経由では出力できないとされており、これは残念なところだ。発表会場でのデモ機にはBluesoleil製のスタックがインストールされていたが、使用期限切れで機能しなかったため詳細は確認できなかった。

Photo Bluetoothの設定画面。デモ機ではすでに、Bluetoothヘッドセットがペアリング済みだった。ちなみにBluesoleil製のスタックはエクスプローラでのBluetooth設定画面にも対応している
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