内蔵したチップやアンテナによってリーダー/ライターの電波を受信し、“かざして使う”というユーザーの基本動作は、カードも携帯も変わらない。しかし複数のサービスを利用したい場合、カードであればそのサービスの数だけ枚数を持ち歩かなくてはならないが、おサイフケータイならば携帯1つで複数のサービスを利用できる。ユーザーが専用アプリをインストールすることによって、さまざまな機能を追加できるのは、おサイフケータイならではのメリットだ。
現在販売されているおサイフケータイには、EdyやiD、QUICPayといった各種の決済アプリがプリインストールされており※、ユーザーが各種設定を行えば利用できるようになる。プリインストールされている以外のサービスを利用したい場合は、対応するアプリを自分でダウンロードし、初期設定をすることで機能を追加できる。おサイフケータイで利用できるアプリについては、各キャリアの公式メニューから探すほか、3キャリア共通のポータルサイトである「ピットスクエア」からたどることもできる。
また、アプリだけでなく、ポイントやマイルもまとめられるのもメリットだ。例えばEdy連動の会員証やポイントカードを複数使っている場合は、カード別に持つとEdyのチャージが複数のカードに分散してしまう。特に、ANAのマイル、楽天やベルメゾンのポイントのようにEdy決済であれば利用店舗を問わずに付くものをためている人は、カードよりもおサイフケータイ用アプリを利用したほうがメリットが大きい(参照記事)。
事業者名 | ポイント名 | サービス開始時期 |
---|---|---|
全日空 | ANAマイレージクラブ | 対応済み |
楽天 | 楽天スーパーポイント | 7月8日 |
千趣会 | ベルメゾン・ポイント | 7月8日 |
KDDI | auポイント | 8月4日 |
ヤマダ電機 | ヤマダポイント | 2008年8月 |
TSUTAYA | Tポイント | 2008年秋 |
携帯電話には液晶画面があり、通信機能を利用できる。これによって、おサイフケータイでは、カード型FeliCaにはできないことが可能になる。
例えば、モバイルSuicaでは窓口に行かなくても新幹線のチケットを購入できる「モバイルSuica特急券」(参照記事)といった機能を提供しているし、モバイルEdyには、他のEdyユーザーへ送金を行える「Edy to Edy」という機能がある。これらはおサイフケータイの通信機能があるからこそ可能になる使い方だ。
このほか、電子マネーの残高や利用履歴を好きなときに確認したり、指定した銀行口座やクレジットカードからオンラインでチャージ(入金)をしたりできるというメリットもある。同じことをカードタイプのFeliCaで行おうとした場合、チャージや残高確認をするためには、チャージできる機械や場所を探す必要があるからだ。ただしこの1〜2年でFeliCa電子マネーに対応するコンビニが増えたこと、銀行口座からチャージできるATMが登場したこと、また改札を通るときに、設定しておいた額をクレジットカードから自動的にチャージする「オートチャージ」機能が広まりつつあることなどにより、「むしろカードのほうがおサイフケータイより便利」という声が一部あるのも事実だ。
→iPhone 3GにVIEWカードを貼ったらおサイフケータイになるか?(参照記事)
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