2008年度版「FeliCaの基礎知識」として、(1)ではFeliCaがなぜ日本で導入され、普及が進んでいるのかの理由について、そして(2)ではカードタイプFeliCaについての最新事情についてまとめた。本稿では、携帯電話で利用できるFeliCa(おサイフケータイ)について、最新情報を整理していこう。
非接触IC・FeliCaの機能を、携帯電話で利用できるようにしたのが「モバイルFeliCa ICチップ」であり※、モバイルFeliCa ICチップを内蔵した携帯電話を「おサイフケータイ」と呼ぶ※※。携帯電話のモバイルFeliCa ICチップが入っている面には、下の写真のようなロゴが入っているので、ロゴの有無でおサイフケータイかどうかを判別できる。
おサイフケータイの第1号機は、2004年7月にNTTドコモが発売した「P506iC」だ。当初はドコモ端末のみの機能だったが、その後au(2005年8月〜)、ソフトバンクモバイル(2005年9月〜)、ディズニーモバイル(2008年3月〜)からも発売された。またウィルコムは2008年第4四半期にFeliCaチップを搭載したPHSを発売予定で、その後は全機種への標準搭載を目指すと発表している(参照記事)。
現在、モバイルFeliCa ICチップの累計出荷数は各キャリアを合わせて約9500万個(6月末数字)。このうち契約数は約4900万台(3月末数字、いずれもフェリカネットワークス調べ)となっている。
各キャリアともおサイフケータイの基本的な仕組みは同じだが、若干の違いもある。ユーザーにとって一番大きいのは、使いたいサービスに、自分の使っているキャリアが対応しているかどうかだろう。傾向として、新しいサービスが3キャリア一斉に始まらない場合は、まずNTTドコモから始まることが多い。
おサイフケータイで提供されているFeliCaを使ったサービスの多くは、カードでも利用できる。カードタイプFeliCaに対して、おサイフケータイのメリットとは何なのだろうか?
筆者が考えるおサイフケータイのメリットは次の通りだ。
以下、具体的に見ていこう。
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