カッティングラインのデザインは、複数のパターンで作成した試作パネルを上下左右、斜めから、机に置いてあるのを俯瞰する、誰かが持っている姿を第3者目線で見る、外光や特定の光源下で見る……といった、実際の使用シーンを想定した“見比べ”を長期間行い、決定した。
「候補には直線のパターンもありましたが、まるでワイングラスあるいは宝石のような高級感を醸し出す、なめらかな曲線で描くラインのデザインに決めました」(渡邊氏)
MIRROR II 824Pの背面パネルは立体的にカットラインを施すために821Pよりごく少し厚いが、裏面はカメラなどの出っ張りもなく、フラットに仕上げられた。そのため、手にしたときの“スリム感”は前モデルより向上している。
このほか、手に“角”を感じにくく、実サイズ以上に視覚的に細く見えるようにするなど、細部のデザインにも利用ユーザーを想定した細かい工夫を盛り込む。
「中のコンテンツも、細かいところではアンテナアイコンやバッテリーアイコンの色も筐体色に合わせてあります」(井端氏)。
ダイヤルキーも、ボタン1つ1つのふくらみはもちろん、“谷”の形状まで従来機になかった工夫を施し、キーの境目をはっきり識別できる押しやすさを実現した。
MIRROR II 824Pはサブディスプレイの上下に大きく丸いマルチカラーLEDを2つ、新たに備えた。さまざまな色に変化していくカッティングミラーパネルに加えて、LEDとサブディスプレイによる“光”が、ケータイの表情をさらに多様に変化させる。
「光り方のパターンは30数パターンから選べますが、標準設定のイルミパターンが特におすすめです。カラーごとに異なる調整を施してありまして、実は、この調整をスケジュールぎりぎりまで引っ張って時間をかけてやりました」(井端氏)
この各色の標準パターンは、LEDの色や点灯タイミングを軸に、光が消えるまでの演出や消えた余韻とともに目線が移るパネルの見え方にまでこだわりを込めてあるのだという。
「このほかに、ホタルのようにじわーっとほのかに光るイルミネーションパターンもあります。着色された半透明のパネルを透過する光の色が微妙に変化していき、それがふっと消えると、まるでそこに最初から何もなかったかのような……。そんなカッティングミラーとイルミネーションが見せる多彩な表情をぜひ楽しんでほしいですね」(井端氏)
「コンセプトからイメージしたシーンは、ドレスアップした夜のパーティ会場。カッティングミラーは宝石と同様にハロゲンランプの下でよく映えるので、できれば蛍光灯でない照明の下で見せびらかしていただきたいですね」(渡邊氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.