ソフトバンクモバイルが発表した2008年冬モデルの中で、もっとも幅広いユーザーからの支持を集めそうな、高機能かつシンプルなデザインの端末がシャープの「930SH」だ。8Mピクセルの高画素CCDカメラやアンテナ内蔵型のワンセグ、おサイフケータイ、世界対応ケータイ、3Gハイスピード、PCメールなど、ハイエンドモデルに必須の機能を、GPS以外はほぼ網羅しながらも、形状は奇をてらわない、もっともスタンダードな折りたたみ型を採用している。
ボディカラーは、内側と外側を同系の色でそろえたブラック、ピンク、ブルーグリーンと、内側と外側で印象が異なるホワイト×シルバー、シルバー×バイオレットの全5色で展開する。背面は、サブディスプレイとソフトバンクロゴが一体となった帯が1本入っているだけのミニマムデザイン。裏面も目立つギミックや装飾はほとんどなく、ややおとなしめだ。
ソフトバンクモバイルの説明員は930SHのコンセプトを、「みんながみんな、AQUOSケータイのような高機能でとんがったデザインのケータイが欲しい訳ではない。最高クラスのカメラと、ケータイとして必要な機能はしっかりと備えつつ、形状やデザインは、むしろあまり目立たないくらい控えめ。そんなケータイを狙った」と話した。実際、「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」よりも万人受けしそうな製品だ。
ボディの幅は約48ミリと細身で、ディスプレイを開いた状態でも閉じた状態でも、手に持ったときにとても握りやすい。厚さも15.2ミリしかなく、とても8Mピクセルカメラを搭載する端末とは思えないサイズだ。ワイシャツの胸ポケットなどに入れてもさほど気にならない。
背面にはソフトバンクロゴと銀色のラインがアクセントとして入っており、ラインの部分に0.8インチの有機ELサブディスプレイを配している。サブディスプレイには日付や時刻のほか、世界時計、発信元の電話番号、メールの差出人やタイトルなども表示される。ディスプレイが点灯していないときは完全にラインに溶け込み、見えなくなる。また、この部分に着信や充電を知らせるLEDも内蔵。余分な装飾は廃しながらも、なくてはならない機能はきちんと用意してある。
ダイヤルキーは、1つ1つのキーが大きい上、フレームで分割されている。また最下段の3つをのぞいて、キーの表面は下側がやや盛り上がっており、クリック感もしっかりあるので押しやすい。薄型の端末ながらも、キーの操作性は非常によかった。ダイヤルキーの下には新ベールビューのオン・オフ切り替えスイッチも兼ねた[辞書]キーやタスク切り替え/マナーキー、カメラキーを備え、機能を簡単に呼び出せる2008年夏モデルの「AQUOSケータイ 923SH」などとほぼ同等の使い勝手を実現している。
裏面は、それなりの存在感があるレンズやカメラっぽい装飾が施されているかと思いきや、こちらも非常にシンプル。「8.0」の文字がなければ、高画素カメラが搭載されていることすら分からないあっさりしたデザインとなっている。本体を薄型化しつつ、35ミリカメラ換算で29ミリ相当の広角レンズと8MピクセルのCCDを搭載している点には驚かされる。
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