「LINE」など人気アプリから考える、スマホセキュリティ最新事情「iPhoneやめました」のその後(3/4 ページ)

» 2012年06月25日 20時15分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

スマートフォンと個人情報

 個人情報の取り扱いをめぐるこういった問題は、VoIPアプリに限ったことではない。上述のようにアドレス帳データをサーバに送るアプリのほか、自分の位置情報を送信したり、外部から見えるようにするアプリ、自分がインストールしたアプリを他の人からも分かるようにするアプリなど、ユーザー(やその友人)の個人情報を利用するスマートフォンアプリは実はたくさんある。特に問題なのは、ユーザーが意図していない形で個人情報を利用・送信するアプリだ。

 これらの声を受けて、総務省も動き始めている。スマートフォン利用者の個人情報取り扱いについて検討する総務省のワーキンググループが発足(参照リンク)。4月には中間とりまとめ案を報告している(参照リンク)

スマートフォン利用についてのリテラシー

 こういった状況に対して、「ユーザーごとにスマートフォンについてのリテラシーがバラバラ。そのギャップが大きくなり、社会問題化している」と話すのは、情報通信事業のコンサルタント、企業や政府機関のアドバイザーをつとめるクロサカタツヤ氏だ。

 「PCに詳しい、いわゆる『ITリテラシーの高い人』でも、スマートフォン(での個人情報取り扱い)となると心もとないことが多い。スマートフォン利用においては、PCインターネットよりもさらに高い意識が必要にもかかわらず、実際にはそうなっていない。その一方、これまでフィーチャーフォンを使ってきて『そろそろスマートフォン』というくらいの気持ちで機種変した人は、そのままの意識でまったく危機感なくアプリを利用している。こうした利用者間のギャップはスマートフォンの普及に伴い大きくなる一方で、今年はさらに進む。消費者庁などへの問い合わせも増えており、今後、社会問題化するだろう」(クロサカ氏)

 それでは、スマートフォンを利用するユーザーは、どのような点に注意をすれば良いのだろうか?

 「スマートフォンを使う場合、これまでとはユーザーが注意すべき点が変わった。アプリをインストールする際には、アドレス帳などの個人情報をどう扱っているアプリなのかを注意すべき。アプリの中でも、友達に勧められて使い始めることが多いコミュニケーションツールは、普段使いのアプリである分、リスクが大きいのも事実。個人情報を送るのが嫌だと思う場合は、インストールしない、サービス利用をやめる、といった判断も必要だろう。ただし、アプリを削除しただけではサービス利用をやめたことにならないアプリも多いので、注意してほしい」(クロサカ氏)

VoIPアプリの比較

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