Google、Androidスマートフォン向けVRプラットフォーム「Daydream」発表 専用VR HMDにコントローラーも:2016年秋より始動

» 2016年05月19日 09時45分 公開
[山口恵祐,ITmedia]

 米Googleは5月18日(現地時間)、米国・カルフォルニアで開催中の年次開発者会議「Google I/O」で、スマートフォン向けのVR(Virtual Reality)体験価値向上を目的としたプロジェクト「Daydream」を発表した。VRに最適化した「Daydream Ready」のAndroidスマートフォンをはじめ、DayDream対応VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)や、VRアプリ配信プラットフォーム「DayDream Home」を用意する。

「Daydream」 GoogleのVRプラットフォーム「Daydream」

 Daydreamは、スマートフォンを使ったVR体験を向上させるために「スマートフォン」「ヘッドセットとコントローラー」「アプリ」の3つの観点に着目した取り組みだ。発表会では、スマートフォン向けVR HMDとコントローラーのイメージが公開された。

「Daydream」はスマートフォンとヘッドセット&コントローラー、アプリを軸とするプロジェクトだ

 Daydreamに対応するゴーグル型のVR HMDに、対応するスマートフォンを装着して使用する。細長いコントローラーにはタッチパッドと2つのボタンを備え、さらに方向をトラッキングできるセンサーによって、VR空間上でオブジェクトをつかんだり触れたりといった動作が可能だ。これらハードウェアの仕様は全てオープンソースであり、サードパーティーからのハードウェア参入などが期待される。

開発中のVR HMDとコントローラーのイメージ
コントローラーによって、VR空間上のオブジェクトに触れられる。没入感はかなり向上するだろう

 さらに、VRに最適なプロセッサやセンサー、ディスプレイなどのハードウェアを備える「Daydream Ready」Androidスマートフォンが各社から発売となる。現在参入を表明しているのは、「SAMSUNG」「HTC」「LG」「小米科技(xiaomi)」「HUAWEI」「ZTE」「ASUS」「ALCATEL」の計8社だ。これら対応スマートフォンは2016年秋に登場予定だ。

「Daydream Ready」スマートフォン開発を表明するメーカー。国内メーカーは見当たらない

 同発表会では、モバイル向けOSであるAndroidの次期バージョン「Android N」に、VRコンテンツの処理に最適な「VR Mode」を搭載し、OSレベルでVRに対応することが発表された。グラフィックス描画のレイテンシ(遅延)を20ミリ秒以下に抑えるなど、VR専用機並のパフォーマンスを発揮できるとのこと。(余談だが、Nから始まるAndroid次期バージョンの名前を募集中とのこと)

「Daydream Ready」スマートフォンはAndroid Nを搭載し、VRに最適なパフォーマンス、低遅延、UIを備える

 VRアプリ配信専用プラットフォーム「Daydream Home」も合わせて発表された。VR空間にホーム画面のようなものを用意し、ここからアプリのダウンロードや起動が行える。Daydream向けアプリとして、Playストアで購入した映画や、YouTube、Googleフォト、GoogleマップのストリートビューをVRで楽しめる純正アプリを用意するほか、Netflixやhuluといった映像配信サービスや、Electronic Arts、UBISOFTといった有名ゲームメーカーがDaydream向けVRアプリの開発を表明している。

Daydreamのホーム画面。ここからアプリを選択して起動できる
Googleの純正アプリも用意する
現在までにDaydream向けアプリの開発を表明しているサービス
こちらはゲームメーカー

 このように、Daydreamはハードウェアとソフトウェア両面からスマートフォンにおけるVR体験を向上させる取り組みだ。Daydream対応のVR HMDとスマートフォンを用意すれば、ハイスペックなPCや大掛かりなハードウェアを用意することなく、さらには屋内に限らず外出先のカフェでDaydream(VR)を体験する――なんてことが可能になる。

 現在、スマートフォン向けのVRにおいてはSamusungとOculusの「Gear VR」が先行しているが、Googleがオープンなプラットフォームを用意することで、ハードウェアメーカーのVR参入やVRコンテンツの増強、ユーザーのVRに対する導入ハードルは下がるものとみられる。Daydreamは今後のVR普及に弾みをつけるものとなりそうだ。

 ここで主に言及しているVRとは、ゴーグル型のヘッドマウントディスプレイを頭部に装着し、頭の向きに合わせて表示される映像を動かすことで、まるで映像の中に実際にいるかのような仮想現実感を装着者に与えるものだ。現在はハイエンドモデルとして「Oculus Rift」や「HTC Vive」「PlayStation VR」、スマートフォン向けでは「Gear VR」などが主流だ。

→・もう知らないと乗り遅れる? 「VR(Virtual Reality)」の基礎知識

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