本製品の最大の特徴であるトラックボールについて見ていこう。実物を見て驚くのが径の小ささだ。パチンコ玉よりも小さい極小サイズで、90年代のトラックボール内蔵ノートPCにあった“大きめのビー玉ほどのサイズ”を予想していると面食らう。
キーボードから手を離さずにポインタを動かせるのは確かに便利だが、ボールの径および配置の関係で、親指の腹ではなく側面に近いところで触れて動かす必要がある。最初はコントロールがうまくいかずに苦労する。
マウスの左右ボタンに相当するキーはトラックボールから見て左右にレイアウトされている。キーサイズはかなり巨大で、押し間違えにくい上に、中央はもちろん四隅を押してもきちんと反応する。
ちなみにスイッチは「カチッ」という音のするマイクロスイッチではなく「カコッ」という音のするタクトスイッチで、後述するキーボード部分とはまったくキータッチが異なる。個人的にはもう少し軽いほうが好みだ。
注目したいのがトラックボールの周辺キーだ。左右ボタンよりも内側、トラックボールを囲むように上下左右4つのキーがあり、これを用いて画面スクロールが行える。
そもそもトラックボールはポインタを動かすためのもので画面のスクロールを行う機能はないが、本製品はこれらのボタンによってスクロールを可能にしているというわけだ。左右ボタンと同じくかなり押し応えがあるのが惜しいが、仕組みとしては実用的だろう。
さらに本製品は、左右ボタンの下にそれぞれ2つ、計4つのキーが備わっている。左側の2つがDPI調整ボタン、右側の2つがブラウザの戻る/進むボタンとなっている。つまり5ボタン以上の多機能ホイールマウスでできる操作を完全にエミュレートしているので、設置スペースの関係でマウスを置く場所を確保できず、キーボードしか置けない環境にはもってこいだ。戻る/進むボタンが一般的な5ボタンマウスと同じく、右手の親指で操作するレイアウトとなっているのも親切な印象だ。
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