「Xiaomi 14T Pro」と「AQUOS R9」のカメラや使い勝手を比較 重視するのは性能か、安心感か?(1/2 ページ)

» 2024年12月29日 16時00分 公開
[佐藤颯ITmedia]
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 日本は「ライカ」を冠するスマートフォンが複数発売される、世界的に見ても異例の地域だ。今回は11月末に発売されたXiaomi 14T Proと7月に発売されたAQUOS R9を取り上げる。両機種ともライカのカメラを搭載した10万円前後のモデルであり、立ち位置が似ている。カメラの画質や使い勝手を中心に比較していく。

「Xiaomi 14T Pro」と「AQUOS R9」の基本スペックをチェック

 まず、両機種のスペックをチェックしていこう。Xiaomi 14T Proは中国Xiaomiのハイエンドスマートフォン。標準カメラ、超広角カメラ、望遠カメラを合わせた計3つカメラを備えており、レンズはライカの「ズミルクス」を冠した高品質なものを採用する。

 広角カメラには1/1.31型の大型イメージセンサー「Light Fusion 900」を採用し、光学式手ブレ補正を備える。超広角カメラは1200万画素、望遠カメラは5000万画素の2.6倍望遠(35mm換算で60mm相当)を備える。

 カメラ以外のポイントはプロセッサにMediaTek Dimensity 9300+を採用し、12GBのメモリを備える。ストレージ容量は256GBまたは512GBを選択できる。Dimensity 9300+はSnapdragon 8 Gen 3と同世代のMediaTek製のフラグシッププロセッサであり、基本性能はかなり高い。

 画面は6.78型のフルHD+解像度(1220×2712ピクセル)、ピーク輝度4000ニトの明るい画面を備える。144Hzのリフレッシュレートにも対応しており、動きの速いコンテンツにもしっかり対応できる。この他、IP68等級の防水性能や120Wの急速充電機能、AIによる画像生成や翻訳機能を備えるなど、この冬に登場するハイエンドスマートフォンらしい高いスペックを有する。Xiaomiオンラインストアでの価格は12GB+256GBモデルが10万9800円(税込み、以下同)。

Xiaomi 14T Pro 比較 見た目は落ち着いたデザイン
Xiaomi 14T Pro 比較 ライカ共同開発のトリプルカメラを採用

 AQUOS R9はシャープが7月に発売したスマートフォンだ。本機種は広角カメラ、超広角カメラの2つを備え、レンズはライカの「ヘクトール」を冠したものを採用する。広角カメラには1/1.55型のイメージセンサーを採用し、以前より熱望されていた光学式手ブレ補正も備えた。AQUOS R8の後継にあたる存在なので、超広角カメラも備える。こちらも5030万画素のものが採用されている。

 プロセッサにはSnapdragon 7+ Gen 3を採用し、12GBのメモリと256GBのストレージを備える。Snapdragon 7+ Gen 3はミッドレンジの中では最も高性能なプロセッサであり、基本性能は2023年モデルのハイエンド機に匹敵する高い性能を有している。

 また、ハイエンド機では珍しくなったmicroSDスロットを備えており、容量の拡張が容易に行える。世界的にみてもこのクラスのスマートフォンでmicroSDが利用できる機種はかなり少数だ。

 画面は6.5型のフルHD+解像度、ピーク輝度2000ニトの構成。AQUOSらしく240Hzの滑らかスクロールにも対応し、吸い付くようなタッチ操作も魅力。IP68等級の防水性能に加え、MIL-STD810Hも取得するなど、より安心して使えるスマートフォンへ進化した。シャープ直販、COCORO STOREでの価格は9万9880円。

Xiaomi 14T Pro 比較 AQUOS R9はライカ監修スマホとしてはコンパクト
Xiaomi 14T Pro 比較 AQUOS R9はmicro SDカードが利用できる

カメラはハードウェアの差が出るものの、画質の雰囲気は似ている

 ここからはXiaomi 14T ProとAQUOS R9で撮影した写真を見比べていこう。両者ともオートで撮影しているが、Xiaomi 14T Proには多彩な撮影モードがあるため、今回は一般的なスマートフォンのチューニングに近い「Leica Vibrant」の設定で撮影している。

Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較

 同じライカコラボのスマートフォンでも、AQUOS R9の方がややビビッドなチューニングの印象。いくつか撮影してみたところ、意外にも撮影した際の雰囲気はXiaomi、シャープ共に近いものを感じられる。

 それでも、被写体をクッキリと写し出すXiaomiと“やわらかい表現”で演出するシャープという違いが感じ取れる。これには冠するレンズがXiaomiは「ズミルクス」に対し、AQUOSは「ヘクトール」という違いもあるだろう。

Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較

 花の写真では両者のハードウェアスペックの差が現れた。「自然なボケ感」では過去に紹介した1型センサーを採用するXiaomi 14 Ultraが優位だったが、Xiaomi 14T Proではセンサーサイズもひと回り小さくなったことで過度なボケ感はなくなった。それでも、Xiaomi 14T Proの方がメインカメラの性能は一枚上手であり、暗い場面や細かいディティール描写に対応できる。

Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較

 超広角カメラはAQUOS R9が5000万画素なのに対しXiaomi 14T Proは1200万画素。画角はAQUOS R9の13mmに対してXiaomi 14T Proが14mm。基本性能の差もあるため、より広くきれいに収めたい場合はAQUOS R9の方が優れている。

Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較

 望遠のシチュエーションでは、別途望遠カメラを備えるXiaomi 14T Proが優位だ。AQUOS R9では物理的に撮影が難しいシチュエーションなだけあって、ここに魅力を覚える人は迷わずXiaomi 14T Proを検討した方がいいだろう。

Xiaomi 14T Pro 比較
Xiaomi 14T Pro 比較

 多彩な撮影モードやマニュアルモードでの「追い込み」を求めるならXiaomi 14T Proをおすすめしたい。Leica VibrantとLeica Authenticの2つのモードに加え、多種多様なフィルターを利用できる。秘めた撮影表現を広げられる。

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