Samsung Electronics(サムスン電子)と東日本旅客鉄道(JR東日本)は4月21日、訪日旅行者向けの「Welcome Suica Mobile」と国内ユーザー向けの「モバイルSuica」に関する協業を発表した。
協業の内容は、2027年上半期以降に発売するGalaxyスマートフォンの海外モデルでWelcome Suica Mobileアプリに対応することと、Welcome Suica Mobile/モバイルSuicaアプリにおけるチャージ/チケット購入時の決済時の選択肢として2027年上半期以降に「Samsung Pay」が加わることの2点で、詳細は決まり次第公表される。
Welcome Suica Mobileは訪日外国人向けのモバイル交通系ICカードだ。プリペイド(SF)残高による交通利用や買い物、クレジットカードを使った残高チャージや「普通列車Suicaグリーン券」「企画乗車券(おトクなきっぷ)」の購入も可能だが、180日の有効(利用)期限が設けられている。
現時点において、Welcome Suica MobileはiPhoneとApple Watchにのみ対応している。「なぜAndroidスマートフォンでWelcome Suica Mobileを使えない(対応できない)のか?」という点だが、これは非接触決済の実装方法の違いに起因する。
iPhoneやApple Watchの場合、ごく初期の例外を除き日本以外で販売されるモデルにもFeliCa機能が搭載されている。外国人旅行客が持っているiPhone/Apple WatchでもWalletにSuicaカードを格納できることを生かして、Welcome Suica Mobileは開発されたのだ。
iPhone 8シリーズ/Apple Watch Seires 3以降のiPhone/Apple Watchは、海外向けモデルも含めてFeliCaに対応している。Welcome Suica Mobileは、このことを生かして始まったサービスである一方で、Galaxyを含むAndroidスマートフォンでは、FeliCaを使った交通利用/決済サービスが「おサイフケータイ」機能を通して実装されている。
おサイフケータイはハードウェアとソフトウェアの両面で特別な対応が求められるが、日本国外では“無用の長物”となることもあって、サムスン電子を含む全メーカーは日本向けモデルにのみ搭載している(※1)。要するに、Androidスマホの海外モデルはWelcome Suica Mobileに対応したくてもできない状況にある。
サムスン電子ジャパンによると、2027年上半期以降に発売するGalaxyスマホでは海外モデルにもFeliCa機能を実装することで、Welcome Suica Mobileに対応できるようにするという。国内モデルのおサイフケータイ機能との違いは不明だが、少なくとも交通用FeliCaに求められる要件を満たす機能が搭載されることは間違いない。
(※1)グローバル販売されるAndroidスマホにおサイフケータイ機能を実装する場合、ほとんどは専用型番の「日本モデル」としてリリースしている(例は少ないが、型番を変えずに日本向けロットにのみ実装するケースもある)
海外モデルは「Welcome Suica Mobile」に対応する一方で、国内モデルは引き続き「モバイルSuica」に対応するというイメージのようだ。いずれにしてもハードウェア的な対応が必要となるため、海外モデルが過去にさかのぼってWelcome Suica Mobileに対応することはなさそうである
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