FCNTがメモリ高騰の逆風下で「arrows Alpha2」を発表――前モデルと基板は一緒。でも外観を大幅に刷新した意欲作:石川温のスマホ業界新聞

» 2026年08月30日 11時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 FCNTは8月18日、「arrows Alpha2 商品戦略発表会」を開催。arrows Alpha2がどのように開発されたのかが語られた。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2026年8月22日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 昨今、円安基調やメモリ高騰という、メーカーにとって逆風が吹くなか、FCNTのarrows Alpha2に対する熱量、意気込みが感じられるプレゼンであった。

 昨年、FCNTにとっては久々のハイエンドという位置づけであった「arrows Alpha」は、業界内でも評価が高く、よく売れたとされる。

 もともと、すぐに後継モデルを出すつもりはなかったようだが、予想以上に好調であったため、急遽、arrows Alpha2を企画することになったという。

 とはいえ、メモリ高騰が激しく、打ち合わせを重ねるたびに調達価格が高騰。メモリ以外のところでのコスト削減が求められた。

 スペックを見ると、外観以外はarrows Alpha2はarrows Alphaとほとんど変わっていない。

 実はarrows Alpha2とarrows Alphaでは同じ基盤を使っているため、チップやモデムなどに全く変化がないのだ(キャリアの基準によって、通信速度は一部異なる)。

 ただ、そこで妥協しなかったのがFCNTのすごいところだ。

 本体サイズを変更し、狭額縁にしたり、縁面の処理を変えるなど洗練されたデザインに刷新。耐久性能も上げる工夫を施した。どこまで需要があるかは不明だが、淡水の水中で、カメラ操作が行えるようにもなった。

 見た目の印象や使い勝手など、型番がひとつ増えたのにふさわしい進化をしているのだ。

 プレゼンでは「手が届くハイエンド」と言っていたが、まさにハイエンドの雰囲気を十分にまとった製品に仕上がっている。

 ただ、プレゼンでも触れられていたが、そもそも「ハイエンド」という位置づけが、今後、改められそうというか、商品のカテゴリーを考え直す時期に来ているのかもしれない。

 一般的なユーザーであれば、arrows Alpha2のスペックで十分なはずだ。

 一方で、メーカーの技術力を見せつけ、ブランドイメージを植え付ける点においては、今の時代は折りたたみスマホがその役割を担う。

 ただ、ユーザーの立場からすれば「OSのアップデートやセキュリティアップデートができるだけ長く提供されるスマホがいい」ということも考えられる。

 また、ゲームをメインとするユーザーであれば、どんなにコスパが良くても、Pixelは避けた方が無難ということになる。

 メモリ高騰で折りたたみスマホの大容量モデルが40万円に迫る中、「ハイエンド」という定義をそろそろ見直すべき時期に来ているのかもしれない。

© DWANGO Co., Ltd.

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