KDDIら、AI時代の通信需要に応える「6G」へ一歩前進 7GHz帯でも「Sub6並みに電波が届く」のか

» 2026年09月02日 12時30分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]

 KDDIとKDDI総合研究所は、サムスン電子DX部門の先行研究組織であるSamsung Researchの協力のもと、2026年8月18日〜8月20日に韓国・ソウルのSamsung Electronics R&Dキャンパス敷地内で6G向けの屋外実証実験を実施した。

 本実証では、6G向け周波数として検討されている7GHz帯を使用し、千個以上のアンテナ素子を搭載して電波の送信方向を緻密に制御する「Extreme Massive MIMO」技術を採用した基地局を設置した。これに1024QAM変調方式を組み合わせ、基地局から端末へのダウンリンク通信において世界最高水準となる3.6Gbpsの通信速度を達成した。

KDDI Samsung 7GHz帯を用いた6G屋外実証実験の構成イメージ。Extreme Massive MIMO基地局と端末間のダウンリンク通信で3.6Gbpsを達成した

 6G時代にはAIをはじめとする新サービスの普及により、さらなる通信トラフィックの増加が見込まれている。こうした需要に対応するため、2027年開催予定の国際電気通信連合(ITU)世界無線通信会議(WRC-27)では7GHz〜8GHz帯の利用が議論される予定だ。同周波数帯は広帯域な大容量通信が期待される一方、Sub6帯(6GHz未満の周波数)と比較して高周波なため伝搬損失が大きく、電波が届きにくい課題があった。

 実証実験では100MHzの帯域幅を使用し、電波の信号品質向上によって従来の5Gで使われる256QAM(8ビット)から1024QAM(10ビット)への適用を可能にした。8レイヤーを用いた同一環境での比較では、256QAMの3.0Gbpsに対し、1024QAMでは3.6Gbpsと通信速度が20%向上した。

KDDI MIMO 千個以上のアンテナ素子を活用し電波を特定方向へ集中させるExtreme Massive MIMO技術の概念図や、1つの信号に載せるビット数を増やし同時伝送量を拡大する1024QAM変調方式の仕組み

 また、多数のアンテナ素子で特定方向へ電波を集中させるビームフォーミング制御により、電波が届きにくい7GHz帯でありながら、同一地点に設置したSub6基地局と同等の通信エリア(受信電力水準を満たす地点の割合がSub6比で95%)を確保できることを実証した。

 KDDIは大容量・低遅延な通信ネットワークとAI計算基盤を融合した「デジタルベルト構想」を推進している。今回の成果は、将来の「AI前提社会」を支える大容量通信の実現に大きく貢献するものとなる。両社は今後も高速大容量通信に向けた無線技術の研究開発を継続していく方針だ。

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