世界を変える5G

KDDIとドコモがミリ波の「共用中継器」を開発 1台で両社のミリ波を中継、今夏から運用

» 2026年05月28日 11時21分 公開
[田中聡,ITmedia]

 KDDIとNTTドコモは5月27日、5G通信のミリ波エリアを効率的に拡大するための共用中継器を開発したと発表した。京セラの協力を得て開発を完了したこの中継器は、1台で両社のミリ波基地局からの電波を中継できる。両社は通信の効率的なエリア拡大を図るため、2026年夏から上野恩賜公園で実証実験を開始する。

ミリ波 KDDIとドコモのミリ波基地局から、1台で電波を中継する機器を開発した

 5G通信のミリ波は高速で大容量の通信が可能な一方で、電波の直進性が強く遮蔽(しゃへい)物に弱い。この課題を解決するため、KDDIは2024年12月に無線中継技術を開発し、西新宿ビル街や高輪ゲートウェイ駅前などでエリアを広げてきた。NTTドコモもスタジアムなどの施設でエリアを拡大してきたが、今回は2社で共用できる新たな中継器を導入して拡大を加速させる。

 京セラが製造する新しい中継器は、本体を変えずにフィルターや増幅回路を共用化したことで、2社の信号を同時に中継できる。また、各社の基地局から届く信号の向きや強さに応じて最適なアンテナ面を自動で選択する機能を備えた。これにより、各社が個別に設備を施工する場合と比べて、施工費や設置スペースの削減が可能だ。

 さらに、この中継器は周囲の状況に応じて電波の受信と送信の役割を動的に切り替え、メッシュ状のエリアを自律的に構築する。最も通信品質のいい中継ルートを自動で選択するため、建物の建設や樹木の成長によって電波が遮られても、瞬時に最適なルートへ切り替わる。重さは4.9kgと一般的な基地局より約7割軽く、街路灯への設置も容易だ。

ミリ波 アンテナのドナー面とサービス面を切り替えることで、自律的にエリアを形成できるという
ミリ波 中継ルートの最適化も行う

 2026年夏に実施する上野恩賜公園での実証実験では、多くの人が集まる場所での通信品質や通信速度の向上効果を検証する。両社は環境変化に応じた自律的なエリア形成や中継ルートの最適化を確認し、設備コストの削減や設置性といった運用面での有効性について評価する。

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