世界を変える5G

KDDIとJR東、山手線ミリ波エリアを97%へ拡大 届きにくい電波、窓から引き込む

» 2026年05月20日 16時20分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]

 KDDIと東日本旅客鉄道(JR東日本)は4月15日までに、JR東日本の東京総合車両センターにおいて、山手線の車両内で5Gミリ波通信エリアを拡大する実証に国内で初めて成功した。通信速度1Gbpsを達成可能な通信エリアが、導入前の約40%から約97%へと飛躍的に改善し、車両内のほぼ全域に拡大したことを確認している。

KDDI JR東日本 山手線車両内における5Gミリ波通信エリア拡大の仕組み(イメージ)

 今回の実証では、線路沿線のミリ波基地局から放射された屋外の電波を、車両の窓に設置したミリ波対応ガラスアンテナで受信し、車内に引き込む仕組みを採用した。受信した電波はアンプで増幅されたのち、誘電体導波路を用いて伝送され、車内の天井に設置された漏えいアンテナとロッドアンテナから再放射される。

 鉄道車両は金属が多くミリ波の電波が届きにくい環境だが、この構成により遮蔽(しゃへい)の影響を最小限に抑えることが可能となった。本実証では各社から提供された専用機器が重要な役割を果たしており、AGCが提供したミリ波対応ガラスアンテナは、透明性に優れ、車内の景観を損なわずに高い利得での送受信を実現する。

 また京セラが提供したアンプは、ガラスアンテナで受信したミリ波の電波を、低雑音かつ高出力を両立しながら高利得で増幅する役割を担い、広範囲への電波放射を支えている。両社は今回の実証で得られた知見をもとに、今後は鉄道車両だけでなく、あらゆる屋内環境へとミリ波の活用を広げていく方針だ。

KDDI JR東日本 ガラスアンテナの設置イメージ(画像=左)と、誘電体導波路および漏えい・ロッドアンテナの設置イメージ(画像=右)
KDDI JR東日本 本構成導入前後の車両内ミリ波エリアの比較

 ミリ波を含む電波の有効活用により、鉄道沿線等での通信環境や乗客の利便性をさらに向上させる。それとともに、将来的な鉄道業務のDXの推進に向けて取り組んでいく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月04日 更新
  1. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  2. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  3. 「Androidのマイナンバーカード」は10月20日スタート予定 今の「スマホ用電子証明書」と何が違う? (2026年10月02日)
  4. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【2026年10月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年10月03日)
  5. 「BALMUDA Phone」のサポートがついに終了 バルミューダ初、異色スマホの終幕 (2026年10月01日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. 「Xperia 10 VIII」は部材高騰でも「10万円以下」を死守、新サービス「Fan Sync」でエンタメ体験を拡張 (2026年10月02日)
  8. 高市首相がAppleに要請――「自殺防止機能の搭載を」 生成AIへの相談増加を受け (2026年10月03日)
  9. 免許証画像が漏れると何が“ヤバい”のか タイムズカーで最大約660万件の個人情報漏えいで考えられる「3つのリスク」 (2026年09月29日)
  10. ドコモが低容量プラン「ドコモ mini2」発表 6GB/12GBの2段階で月額3278円/4598円 (2026年09月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー