Bluetoothの技術統括団体が日本法人の代表に黒川剣氏を任命 直近の技術ロードマップも公表

» 2026年10月15日 17時30分 公開
[井上翔,ITmedia]

 既報の通り、Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は9月2日、日本法人として「Bluetooth SIG Japan」を設立したことを発表した(法人としての登記は6月に実施)。

 本件に関連してBluetooth SIGは10月15日、東京都内で記者発表会を開催し、同団体の日本代表およびBluetooth SIG Japanの代表(カントリーマネージャー)として黒川剣氏を任命したことを発表した。

 黒川氏はDVD(Digital Versatile Disc)およびBlu-ray Discにおけるコアオーディオ/ビデオ技術の標準化に携わった他、Xperi/DTS、Deezer、Spotify、Ubisoftなどの日本法人の代表を歴任してきた経歴を持つ。

 今後、黒川氏はBluetooth SIGの日本における代表者として、日本のBluetooth SIG加盟メンバーが参加できる「Bluetooth Japan Member Group」をけん引していく。

黒川剣氏 Bluetooth SIGの日本代表と、Bluetooth SIG Japanの代表に就任した黒川剣氏。Bluetooth SIG Japanは「合同会社」形態を取っており、黒川氏は同社の職務執行者(代表社員の代わりに業務を行う個人)を担う
ネヴィル・マイヤーズ氏 発表会にはBluetooth SIGのネヴィル・マイヤーズCEOも登壇した

そもそも、なぜ“今”日本法人を設立した?

 Bluetooth SIGは、1998年にEricsson、IBM、Intel、Nokia、東芝の5社が設立した非営利メンバーシップ組織で、設立の段階で日本企業(東芝)との結び付きが強かった。2026年現在においても、同団体の加盟企業数と、機器の認証数で日本は世界第3位の地位を占めている。

 一方で、日本は加盟企業/団体数が多い割にワーキンググループへの参加が不足しており、無線通信規格としてのBluetoothにおいて日本市場の意見反映が不十分という課題を認識していたという。加えて、Bluetooth機器の相互運用性を高めるための試験イベントをより多く開催してほしいというニーズもあるともいう。

 そこで今回、Bluetooth SIGは日本における“窓口”を強化する目的で日本法人を設立した上で、日本に特化したメンバーグループを立ち上げることに決めたのだという。

日本 Bluetooth SIGの加盟企業のうち、38%がアジア・太平洋地域を本拠地としており、実数にすると1万5000社を超えているという。中でも日本は加盟企業数と機器認証件数の両面で世界有数の規模を確保している
壁 その割に、Bluetooth SIGでは日本企業の存在感が薄く、通信規格としてのBluetoothにおいて日本市場からの意見が反映されづらいという課題を抱えていた
日本へのコミットメント そこで日本市場や日本企業へのコミットメントを広げるべく……
日本法人 Bluetooth SIG Japanを立ち上げた。合同会社として営利法人の形態を取ったのは、日本における人材確保や各種活動のしやすさを考慮した結果だという

通信規格としてのBluetoothのアップデート

 発表会では、通信規格としてのBluetooth(Bluetooth Core)の近況も報告された。

 Bluetooth Coreの最新バージョンは、2026年5月に正式リリースされた「6.3」だ。最近は以下の新機能が実装されている。

  • Auracast(音声の一斉配信)
  • デバイスネットワーキング(多くのデバイスの一斉制御)
  • 高精度な測距
  • HID(Human Interface Device)における超低遅延対応
機能強化 最近Bluetooth規格に実装された機能

 また今後、Bluetooth Coreのアップデートにより以下の機能も実装される見込みだ。

  • 高スループット通信(11月正式提供予定)
  • IP Link(IPv6を使った通信:11月正式提供予定)
  • ハイレゾロスレスオーディオ(ハイレゾコーデックの伝送:2027年内に提供予定)
  • 高周波数帯域通信(2.4GHz帯以外の無線帯域での伝送:2027年内に提供予定)

 高周波数帯域通信については5GHz帯/6GHz帯の利用を想定しているが、有効化の可否は利用する国/地域における無線利用状況に依存する。

実装 直近でBluetooth Coreに実装される予定の機能
待望 待望されている高周波数帯対応だが、現時点ではIEEE 802.11シリーズの無線LANと同じ5GHz帯/6GHz帯を使う前提で開発が進められている。「同じ帯域」ということで、無線LANの標準化団体であるWi-Fi Allianceと連携して干渉回避技術の強化も図るという

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月15日 更新
  1. 7型ディスプレイ搭載「Apple HomeView」発表 Siri AIと顔識別で家族全員に「欲しい情報」を届ける (2026年10月13日)
  2. スマホの「実質価格」高騰の恐れ、iPhone 18 Proは2倍高く? 総務省の残価設定ルール厳格化は“誰のため”か (2026年10月10日)
  3. 異例の「iPhone Air」投げ売りはなぜ起きている? 定価29.5万円の1TBモデルが、いま18.4万円で買える3つの理由 (2026年10月15日)
  4. Apple、「HomePod mini」に新色「ミッドナイト」追加 実はスペースグレイとの違いアリ (2024年07月16日)
  5. 「iPhone Air」本音レビュー:使って分かった「バッテリーの持ち」と「ケース選び」の悩ましさ (2025年10月10日)
  6. ダイソーで1100円の「GaN USB充電器」は折り畳みプラグで外出用に持ち歩きやすい 45W出力対応でPCでも使える (2026年10月10日)
  7. 楽天モバイルのオリジナルAndroid端末にパッチ未提供の脆弱性 対象端末の利用者には機種変更を推奨 (2026年10月14日)
  8. Apple、「HomePod mini 2」を発表 天面が光るサウンドグローや4台連携でのサラウンド機能に対応 2万4800円 (2026年10月13日)
  9. SpaceXが米国で自前の携帯サービスを目指す 衛星が届きにくい屋内は800MHz帯で補う (2026年10月14日)
  10. 個人情報の流出にユーザーはどう備える? 乗っ取りやクレカ不正利用を防ぐ「3段階」の対策ガイド (2026年10月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー