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Apple製Netbookのうわさが再燃――台湾紙の報道を受けて

» 2009年03月10日 13時12分 公開
[Michelle Maisto,eWEEK]
eWEEK

 米AppleのNetbookがついに登場するのだろうか?

 「台湾企業2社がそうした端末の製造注文を受けた」と台湾の日刊紙が報じたのを受けて、インターネットでは再び、AppleがNetbookを投入する可能性をめぐり憶測が飛び交っている。Appleはこの件について何もコメントしていないが、もし同社の製品パイプラインにNetbookやミニノートPCが加わることになれば、同社はDellやHewlett-Packard(HP)のほか、台湾のAcerやASUS、中国Lenovoといった企業と競合することになる。

 今回AppleのNetbookをめぐるうわさが再燃したのは、台湾の日刊経済紙Commercial Timesが3月9日、「かつてAppleのiPhoneの製造にも携わった台湾のQuanta ComputerがAppleからそうした小型の低価格ノートの製造注文を受けた」と報じたのがきっかけ。さらにCommercial Timesは、同じく台湾企業のWintekがそうした端末向けにタッチパネルを供給する見通しだとも報じている。

 台湾のITニュースサイトDigitimesはこの中国語の記事を取り上げ、Wintekの幹部らが「出荷のスケジュールはまだ決まっていないが、恐らく今年の半ばにスタートするだろう」と語ったと報じている。

 Apple Insiderによると、今年1月に開かれた第1四半期決算の発表会では、Appleの幹部らはそうした端末の可能性に関する質問を軽く受け流したという。

 Apple Insiderでは、AppleのCEO代理を務めるティム・クック氏が次のように発言したと報じられている。「ユーザーがそうした製品に満足できるとは思わない。Netbookにはわれわれも注目しており、幾つかアイデアもある。だが今のところ、そうした製品の品質はお粗末であり、顧客が満足できるような体験を提供できるものではないと考えている」

 米国の経済危機に伴う消費不況や企業支出の抑制による影響で、デスクトップPCやノートPCの販売・出荷台数が急激に落ち込む中、低価格のNetbookやミニノートPCの好調に助けられているPCベンダーは少なくない。ただし、PCベンダー各社が軒並み販売台数を減らす中でも、Appleはハードウェアについては常に高い利益幅を維持しており、Macの出荷台数も安定している。

 eWEEKの執筆者であるジョー・ウィルコックスはApple Watchブログにおいて、「AppleにNetbookはそぐわない」との見解に同意している。同氏は幾つかの理由から、「AppleのNetbookをめぐるうわさはあくまでうわさにすぎないだろう」と指摘している。

 Appleの広報担当者にコメントを求めたが、返答は得られなかった。

 Appleは3月に入り、iMacMac miniMac Proなどで幾つか新モデルを発表している。

 タワー型デスクトップPCであるMac Proの新モデルには、IntelのNehalemファミリーの新プロセッサIntel Xeonが搭載されている。Appleは「Macがより手ごろな価格になった」としているが、一部のアナリストからは、「フルサイズのMacについてはAppleは1つも1000ドル以下のモデルを提供していない」との批判の声も挙がっている。

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