既報の通り、アップルがデスクトップ型Macのラインアップを一新した。プロシューマー向けの「Mac Pro」、コンシューマー向けでは液晶一体型の「iMac」、超小型の「Mac mini」のいずれもが従来のボディを継承しつつ、内部スペックを最新世代に改めたのがトピックだ。今回のプレス向け説明会はiMacが中心で、Mac ProやMac miniの実機は拝めなかったが、同社がiMacにかける強い意気込みがうかがえるものだった。
冒頭、プロダクトマーケティング プロダクトマネージャー 鯉田潮氏が量販店店頭での売上げデータを示し、「今、国内で売れているデスクトップPCはいずれも液晶一体型モデルで、売り上げ全体の半分近い率を占めている。中でもiMacシリーズは24インチ/20インチともに好調で、売上げベスト5に入るほどだ」と指摘した。また、「タワー型やセパレート型を買うのはPCリテラシーが高い人が多いのに対し、液晶一体型はPC初心者が多く、iMacはそのニーズに合っており、支持されているのではないか」と分析した。
一方、「デスクトップPCのディスプレイサイズはここ2年ほどで徐々に大型化しており、20インチ以上が過半数に迫っている。そのような流れの中で、新しいiMacは全4モデル中3モデルで24インチの液晶ディスプレイを採用しながら、15万8800円からという低価格を実現しているのがポイントだ」と述べた。「24インチiMacが搭載する1920×1200ドット表示の液晶ディスプレイにより、表示領域が広がって一覧できる情報量がグッと増える。メールやWebブラウズだけでなく、iPhotoやiMovieなどのiLifeアプリケーションも快適に使用できる」とし、「これからは24インチの時代が始まる」と新モデルへの自信をのぞかせた。
新型iMacは、チップセットをMacBookシリーズと共通のNVIDIA GeForce 9400Mに変更しただけでなく、上位モデルのGPUをGeForce GT 130/120に強化することで、全般的にグラフィックス性能を大幅に引き上げているのが見どころだ。同社によれば、ATI Radeon HD 2400 XTを搭載した従来のiMacに比べて、最下位の新型20インチiMacでグラフィックス性能は最大2.3倍、GeForce GT 120搭載の24インチiMacならチップセット内蔵の新型iMacに比べて最大2.6倍まで高速になったという。
メモリ容量も上位モデルで標準4Gバイト(下位モデルは2Gバイト)と倍増し、最大搭載量も8Gバイトまで増加した。HDD容量も標準で320Gバイト〜1Tバイトに増えており、鯉田氏は「新型iMacはオールインワンデスクトップの新標準になる。価格も従来の24インチモデルより4万1000円も安い15万8800円からと手ごろになっており、これまで高根の花だった24インチが、新しい形で受け入れられるようになるのではないか」と期待を見せた。
Mac Proを除く新モデルすべてが店頭で販売されており、直販のApple Storeでも受注が始まっている。Mac Proも来週中に販売される予定であり、新型Macファミリーが市場でどのような反応を見せるのか、その動向から目が離せそうにない。
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