しかし現在、最大の疑問は、AndroidにはWindowsに対抗できる実力があるのかということだ。Acerが期待するような成功を達成する力がAndroidにはあるのだろうか。
わたしはその力があると思う。
Androidの魅力は、容易に修正できるという点にある。PC業界では差別化が重要な成功要因だ。差異がないというのは、ユーザーにとってはコンピュータを選ぶ基準がないということだ。ノートPC市場でコンピュータのデザインが非常に重視される理由もそこにある。Microsoftの狙い通りになれば、これと同じことがNetbook市場にも当てはまることになる――つまり、大多数のコンピュータに同じOSが搭載され、ベンダーはデザインの違いだけで差別化を図らなければならないという図式だ。
この図式を変えるのがAndroidだ。このオープンなOSにより、Acerは自社のハードウェア専用のAndroid OSを開発することが可能になる。言い換えれば、AcerはNetbookユーザーへの訴求力を高めるためにAndroidのデザインを修正できるということだ。それだけでなく、どんな種類のソフトウェアをOSにバンドルするかを変更することもできる。
ここでもう1つのポイントが浮かび上がる――アプリケーションだ。Android Marketのおかげで、Androidを組み込んだAcer製Netbookを購入したユーザーは誰でもすぐに、Netbookのアプリケーション環境を充実させることができる。プロジェクト管理から音楽アプリに至るまで、どんなアプリを探していようとも、Android Marketはユーザーが求めるものを安価あるいは無償で提供してくれる。しかもこれらのアプリはWebからダウンロードできるため、DVDドライブがNetbookに搭載されていないという問題(これはWindowsベースのNetbookユーザーにとって大きな不満点となっている)は、たいしたことではなくなる。このことも、Netbookの低価格に大きく貢献するだろう。
また、ハードウェアの進歩の可能性も無視することはできない。現在のNetbookは、タッチパッドとキーボードを備えたミニノートPCといえる存在だ。しかしAndroidがそもそもタッチスクリーン型デバイス用のOSとして開発されたことを考えれば、Googleの技術を組み込んだNetbookが大きな進化を遂げる可能性がある。
Androidがタッチスクリーン型デバイス向けに開発されたため、Acerがタッチスクリーンを搭載したNetbookをリリースしようとすると考えるのも当然ではないだろうか。これは現実的な可能性だ。
参考までに、「低価格の小型ノートPC」向けSKU(製品エディション)であるWindows 7 Starterに搭載されない見込みの機能を以下にリストアップする。
これを見れば明らかなように、Windows 7 Starter Editionは笑いぐさになるだろう。Netbook向けにデザインされているという人もいるが、OSの機能をWindows 7よりもはるかに大きく拡張できる無数の可能性と機能を提供するAndroidと比べると、このエディションはあまり意味をなさない。AcerがNetbookでAndroidを採用したのは賢明な判断だ。同社にとって必然的な選択ではないかもしれないが、最善の選択であるように思えてきた。Microsoftよ、気を付けるがいい。
Googleは君たちを笑い者にするかもしれないのだ――またしても。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
Special
PR